あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

物語-寓話

事の始まり・傷心

ひとの生涯は生まれることで始まるが、物語はひとが害されることで始まる。 映画や小説、アニメ、その多くはひとの死を中心として、またはそれを発端として物語が動き出す。昨今隆盛を極めている異世界ものなどその最たるもので、主人公が死ぬところから話が…

また明日:歩く人

生きて今日を迎えるために、意味も理由もなく夜通し歩き通さなければならないひとがいる。 今日の朝日を拝むまで、当て所なく夜を徹して歩き続けなければ死んでしまうひとがいる。 そのひとは世を追われ社会を追われ家庭を終われて駅を追われ、公園を追われ…

試してはいけない実験。

首縊りの足を引っ張る 『首縊りの足を引く』の意味と定義 - 辞書辞典無料検索JLogos テレビドラマを見ていますと首を絞められているとき「助けてぇ」「ああぁぁ」「うぅっ」など女性でも声が漏れ聞こえる演技がされます。 そうかと思えば映画や格闘技で首を…

岡⤴を越ーえーゆこーぉよー。

なぜか昔から、わたしはおおむね4年に1回なにかしらやらかします。 8年に1回転換点を迎え、なんの因果か4×4(シシ)の16年に1回は大惨事。 1回しか迎えられませんが…64年に1回は死にかけます。 4年に1回の変革期。なぜか現れる「岡」の字をもつ男。直接災い…

偽善の上澄み

生が尽きようとしているこの永遠を感じられるほど短い間に、いったい何度思い返し、もう何度目になるのかわからないが、再び、あの私の生と死とを分かつ岐路の場面の再現を始めようとしている。 何度繰り返しても何かが変わるわけでもないし、ただただ残され…

医師の寓話

技術の進んだ現代において、他では手の施しようがないと受け入れを拒絶された人々が、私1人を訪ねて年に千人ほど訪ねてきているらしい。 事務方から年次報告であがってきたものであるから、正確な数はわからないが、その内300人ほどを治療している。 今はこ…

現代のピグマリオン

想像返り マネキンと人間との間には乗り越えがたい隔たりがあります。 ガラス越しであってもマネキンが動いたとしたら、またガラス越しに見ているときには動いたらいいのにと思っていたとしても、いざ実際に動いてしまうと幻滅してしまう。 現実が想像の領分…

名医の生涯

昔々あるところに、あらゆる傷を治癒し、それができないときでも最期まで隣で見守ってくれるお医者さまがいましたとさ。 ある日そのお医者さまは背中に小さな小さな傷を負ってしまいました。 それがあまりにも小さく、ちょうど手の届かないところであったの…