人間=限界
ある集合の限界が人間を形づくります。
人間の限界。限界の人間。
人間が限界をつくるのでなく、限界が人間をすでにつくっています。
1つの完了事項。1つの限界。1つの人間。
限界としての人間。
己が死ぬことを悟っているのではなく、その恐怖を与えられたために死におののくひと。
赤ちゃんや単細胞生物は未知のことに恐怖を感じないでしょ?
限界の形
ある地点で思考停止する必要があります。でないと無意味の地平に行き着いてしまうから。思考の極北の先に足を踏み入れてしまうから。どこまで攻めるか。どこまで攻められるか。
探求を停止して、ある事物や現象に名を与えることが語。
物が動くから運動が生じるのではなく、運動があるから物が生じる。
変動に実体はありません。実体は変動によって生まれます。
形が運動を生むのではなく、運動が形を生み形づくります。
差異は世界をつくり、一は世界をみせます。
語るものの業
生物は生を意識せずに生に固執しています。
言葉に扇動される生きもの、言葉で死ねる生きものはひとだけです。
生きるためにしか死ねない。
生きることは問うてはならない問い。
なぜなら意味がなく答えがないことがわかっているから。
生まれることが業ではなく、そこに知があることが業。
生きるためではなく、生きること。
生きるために生きるのではなくただ生きること。
理由もなく生きて意味なく死ぬ。
意味もなく生きて理由なく死ぬ。
ひとだけが意思して生きて、意思して死ぬの。
人工物を付与された自然物の宿命。
大人になるとは自然から目を背けて人工物を受け入れること。
生きる理由、生きる意思をはじめとした「~する理由」の根拠には触れずにおくこと。
生の処方箋
ひとがひとらしく生きるためには嘘でも虚構であってもいいから生きる意味を構築すること。
そしてまたそれを盲信すること。
あまりにも当然のこととして問うまでもないと問わずにすむほどに。
(それが漠然としていても)生きる理由がない、つくれない、もてない人は、だからといって死ぬわけではない。
ただ生きるか、漠然と生きるか、死んだように生きるか、そんなことは考えもしない。
なんにしろ生きている人の方がおおいでしょ?
生きる理由がなく死ぬ理由をつくってしまったひとのおおくは死んでしまうでしょう。
自殺防止の薬は生きる理由・意味を付与すること。その根拠はどうでもいい。その人が受け入れられるものであればなんでも。
法則は(生きる)意味になりえるか?
世界のありように法則や傾向があったとして、それが(生きる)意味を提供しなしないでしょう。
意味を法則とすることができるなら、それは強力な道徳・倫理となります。
人の幸せは意味を生みだし意味に生きること。
ひとの生活を均質・均等化すると多様性は失われて、生きるのではなく生かされるようになってしまう。
すべての望みがかなう社会でも、ひとは生かされる状態になります。
そもそも望みや思考も社会の中でつくられるものなのですべてが現(うつつ)な虚(うつ)ろ。
生きる意味を問わない人生を。