今週のお題「結婚を決めた理由」
決められたから…。
なにもしらされないままに、いつのまにかはなしがすすめられていて、ある日とつぜん両親から言い渡され、ちまたでは恋愛結婚が普及しはじめていたようなのですが、まだまだ閉鎖的な片田舎のこと、当時は口答えなど想像もできないことでしたから…。
それはあのひとも同じこととおもいます。
わたしがそうだったので、あのひともきっとそうだったのだと…、今の今まで聞きわすれていたことをわすれていて気づかなかったのですが、おそらくあのひとも、ある日ふってきたはなしだったのではないかとおもいます。
それでも、当時の時代背景や状況からいってもめずらしいことだとおもうのですが、あのひとが「すき」と言ってくれたから。そのとき、わたしもきめました。
あのひとには「すき」がわかっていたようで、わたしにはそれがなんなのかわからないのですが、そうきめたとき、このひと以外のひとは「ひと」とひとくくりにされて、このひとだけが世界でたったひとり残された異性になってしまい、このひと以外の選択肢がなくなってしまったのです。
「結婚」を決められなかったぶん「すき」を決めたのです。
わたしはこのひとが「すき」なのだと、あのとき、きめたのです。
あのひとがわたしのもとを去って三年ほどたちますが、いまだに「すき」がなんなのかはわかりませんし、おそらく生涯わからぬままさようならするのでしょうが、それでもこの決定はかわりません。
あのとき決めてしまったから。
この決定は、きっと、終生くつがえらないわたしの判決。
決まってしまえば考えることも悩むこともなにかおもうこともありません。
だから理由はありません。
特別な感情ではない、なにかわからないけれどそういうもの。
ただそれだけのこと。