それでも人は分け合わない
今もし仮に彗星かなんかが地球に近づいてきて、たいていの国の有人着陸を可能とする軌道衛星上にうまいことのっかって安定したら。
しかもこの彗星には全人類を賄って余りある有り余る資源を満々と湛えていたとしたら。
このまだ誰の土地でもないほんのちょっと行ったところにある資源はどうなるでしょう?
まだ誰のものでもないものは誰のもの?
どう計算しても余るってわかっているのに分け合おうとはせず、我先にと大気圏外へと飛び出して行き、彗星への熾烈で過激な先着争いを繰り広げて一番最初に辿り着いた国が先取・先住権を主張して所有権を声高にセンセイするのではないでしょうか?
余るって言ってんのに。
なぜならそれを独占することで強力なイニシアチブがとれるから。相手をかしずかせることができるから。他を犠牲にしてでも己が自由を広げられるから。
つまり問題は「資源がどれだけあるか」ではなく「誰のものか」。もっと言えば「誰のものか」でもなく(偏りなく公正に)「分け合えるか」。
訳ないのに分けないワカラナイ
分配の問題に先立つ所有の問題。
所有の問題に先立つ所有権の問題。
所有権の問題に先立つ人の欲の問題。
これまでずーーーーーっとそう。
すきなことばではないからふだんはいわないけれど…、バカじゃないの、人間。
蓄えて、独占専有してそれがなんになるの?
あっちの宗教でもこっちの思想でも死んだあと持っていけるモノは何一つないってさんざっぱら言われてんのに、バカなの?
分け合わないから分かり合えない。
分かり合えないから分け合わない。
分かりっこない。
すでに滅びたエイリアンの警告と悔悟の念を込めたダイイング・メッセージより引用…仕立てにしてみました。