念願の足立美術館へ
先日、「一生に一度はお伊勢参り」はすでに何度か果たしているので、思い立って「一生に一度は出雲参り」ということで島根へと詣って参りました。
まずは悲願念願であった『足立美術館』へ。テレビやYoutube動画など映像では何度も、そして何度も訪れて「きれいなお庭」と感嘆見惚れて見すぎて、ややもするとちょっと感動が薄れてきて飽き始めてきたかもしれない、という感じだったのですが、実際実物を見るとこれが圧倒的にすばらしい。本物は強い。画面越しとは比較にならないほど美しい光景でした。離れがたくなかなか動けず、しばらくその場に佇み浸ってきました。
その後、本館で近代美術を観賞しました。このご時世、はっきり言うのも憚られるのですが、私は動物が苦手というか嫌いで、なかでも鳥とネズミとカエルが特に嫌いなのですが、なんで、どうして、なにに、どうやって描いているのでしょう、特に鳥の毛の細密描写にただただ驚嘆させられました。
以前『ぶらぶら美術・博物館』で山田五郎さんがモネが好きと言うのはあまりにも普通というのか、なのでそれを認めることに抵抗があったそうなのですが、「いいものはいい」と言えるようになったというのか、なにかそういうようなことをおっしゃっていましたが、同様に、定番過ぎて今更すぎてあれですが、横山大観の富士山も相変わらずよかったです。
本館の先に、別館の新館があり、そちらでは若い現代作家さんの作品が展示されていました。一番初めに思った感想は「なかなか酷なことをする」です。本館で巨匠の作品を見てきた後に作風はまったく違うとはいえ比べてしまうと技量の劣る作品が並んでいるのですから、これは厳しい、酷いわ。
とはいいつつも可愛らしい童画がたくさんあって、一万五千円ほどで買える複製画があって購入しようかどうか迷ったのですが、このときまだ宿も決まっておらず、まだ決める気もなくこの後、出雲大社へ行くのにこれを持っていくとなるとそれはなかなか厳しい、ということで断念し、かわりにマグネットを買いました。
喫茶室「大観」の窓際の席でコーヒーを頂きながら再び庭園を眺めてうっとりまったり一休みして、ADACHIブレンドのドリップコーヒーを買って、出雲大社へと向かいました。
宿願の出雲大社へ
手水舎で清めて拝殿へと向かっていったのですが、なんだかしめ縄が思ってたより小さい。近くにいたご夫婦も「なんだか小さいねえ」と話しながら去っていきました。
近くに警備員さん(?)がいらっしゃったので聞いてみると「それは神楽殿です。左の方へと行ったところにありますよ」とのことでした。ついでに色々聞いてみたところ「先日、大祭礼があって陛下の勅使がこられましたよ」と出雲大社と皇室との関わりや「稲佐の浜へはこの道を1kmほど歩いていったところです」や「竹内まりやさんのご実家の竹野屋さんはあの鳥居近くの参道沿いにありますよ」など、いろいろ丁寧に教えてくださいました。知らなかったこともたくさんあって「詳しいですね」と申しましたところ「自分はぜんぜん知らない方です。もっと知っている方がたくさんいらっしゃいます」とおっしゃっておりました。
出雲に来る直前までは覚えていたのですが「向こうの鳥居のところが出雲駅伝のスタート地点ですよ」と教えて頂いていなかったら見逃していたかもしれません。これで出雲駅伝の出雲大社、全日本大学駅伝の熱田神宮、箱根駅伝の箱根関所と三大駅伝のランドマーク訪問達成できました。
さきほどのご夫婦は大注連縄を見ることなく帰ってしまわれたのでしょうか。神楽殿とは反対方向の拝殿向かって右手奥の方へと行ってしまわれたので、ぐるっと回って見つけられていればよいのですが。
はじめからなんとなくそうしたいとは思っていたのですが、1冊目の御朱印帳は伊勢神宮でその1頁目を伊勢神宮の御朱印、そして2冊目は出雲大社でその1頁目を出雲大社の御朱印で飾る。実現できるとはあまり思ってはいなかったのですが、なんとか達成しました。
希望のピラミッド
稲佐の浜へと行って、ちゃんと波が引いた直後の砂を濡れないようにタイミングを見計らって採取して、来た道を戻ることになってしまいましたが、戻って、お砂の交換をしました。
お砂は持ち帰ってお家の四方に撒き、だいぶ余ったので八方塞がりというものもあるようですので八方にも撒いて四方八方清めて、それでもまだ残っていたので、後日100均で白い八角皿を見かけたのでそこにピラミッド型にお砂を盛って玄関先に置きました。
盛り塩用の小さな八角皿と形を整えるための小さな四角錐型の陶器とがセットになっているものも買っていたので、玄関先の盛り砂の対面に置いて山門の阿吽の金剛力士のような感じでご守護いただいております。
ただし今は梅雨。翌日にはお塩が空気中の水分を存分にお集めあそばされまして、ピラミッドが円墳に、そして海に浮かぶ小島のような姿に変わり果ててしまいました。
所望の出雲そばと神在餅
出雲へ行ったら「出雲そば」と「ぜんざい」と決めていて、Youtubeなどで見て目をつけていたお店があったので、動画で予習した通りの道を進んでいきました。平日で翌日は記録的な大雨になるとの予報も出ていたせいか境内や参道、稲佐の浜もあまり混んではいなかったのですが、目をつけていた2つのお蕎麦屋さんにはどちらも行列ができていました。
きっちり計画を立てて来たわけではないのですが、行きたいところがたくさんあって時間に追われている感覚を勝手に抱いていたこともあるのですが、それよりなにより体力的にもう大変だったので、なぜかまったくお客さんの入っていないお蕎麦屋さんがあったので、そのお蕎麦屋さんにしました。
食べてびっくり。おいしくない。はじめてです、失礼ながら2口、3口ほどが限界で残してしまったことは。普段スーパーで買う安い乾麺の方が断然おいしい。
私が呼び水、ファーストペンギンになってしまったようで、お客さんがこちらのお店へと流れてきて次第に席が埋まってきてしまいました。よほど言いたかったです、やめておいた方がいいよと。観光地で一見さんばかりなのでやっていけているのでしょうね。以前、入ってみたら外国人観光客しかいないお寿司やさんで同じような目にあったことがあるのですが、飲食店で感じる違和感というのか、ちょっと変わった光景にはそういう理由があるようです。
ぜんざいは普通でした。
切願の宿
時期に関わらず価格が変わらないので旅費を計算しやすく手頃できれいで対応も優しく(この年になると病院でもなんでもとにかくちょっとでも、怖い人がイヤ)(東京大衆歌謡楽団に逢いに浅草に行ったときにフロントの方が優しかったということもあり)中国の方々に煩わされることもないのでアパホテルと考えていたのですが、空室がありませんでした。
そうです、事前に宿をとらずに来てしまったのです。どうにかなると思って。どうにもならないなんてことを思いもせずに。
このような勝手な想定外なのですが、困ってしまい、スマホで近くの宿を検索して出てきたところを上から順に電話してお部屋が空いていないか聞いていきました、が、どこも空いておらず、唯一空いていたのは東横INNでした。ただし喫煙部屋しかなく「気にならなければ」ということでした。気にならないわけはないのですが、そうは言っても寝るだけの数時間ですし、耐えられないほどではないだろうし、もはや一択でしたので、東横へと向かいました。
行ってみますと、なんのことはないなんてことはない、とてもじゃありませんがとてもとてもでちょっと頭が痛くなってきました。とはいえ他に泊まるところはないわけですし、すぐに近くのウェルシアで消臭剤を買ってきて振り撒きまきました。
宿はちゃんと早めにとっておかなければならないということを学び、二日目は午前中の内に予約を入れたのですが、とれたのはまたしても東横INNだけでした。といっても同じところではなく近くのもう一つの方の東横INNの禁煙部屋でした。禁煙ってすばらしいですね。
健康にも悪く依存性も強くつねに出火原因の上位に位置することですし、もうタバコを禁止してしまってもいいのではないでしょうか。大麻もバイクのヘルメット着用もハラスメントも、法施行されてある日を境に急に止めたり守ったりしなければならなくなったということがいくつもあるのですが、やれないことはないでしょう。公共の福祉はどこにいったのでしょう。
朝食はあまりにも人が多くて席もなく、なんとかコーヒーだけいただきました。
有望の居酒屋
夕食は東横を出てなんとなくで居酒屋さんに入りました。店主が板前をやっていました、というような見た目と雰囲気で期待がもてました。しかも怖くないのがよかったです。
昼のようなこともありますので実際にお料理を口にするまでは不安でしたが、一口して、ご主人の佇まい通り、とてもおいしかったです。あまりに美味しかったので翌日の夜も伺ってしまいました。さらには食べ終わって外に出たとき、飲食店を探している若者に勧めてもしてしまいました。
初日にもそこでしじみ醤油を自宅用とお土産用で3、4本買っていったのですが、翌日訪れたときも、あの人にもあげようと思い出してさらに買い足しました。
切望の町
そして、帰ってきてほんの数日後、あの火災です。少し前に今映し出されているところを何往復もして来たところで、あまりにタイムリーだったので驚いてしまいました。あの通りを歩いていたとき細くて災害時には大変だなあと思っていましたが、やはり消防車が入って行けず、消火活動が大変だったようです。(ニュースで流れる消火活動や火災風景は私が初日に泊まった東横の方から撮ったものが多く、Youtubeやテレビなどいろいろな映像を見ましたが、東横が映っているものはありませんでした。)
あの居酒屋さんは無事だろうか、大丈夫かな、どうか出雲の神様お膝元の災難を払い、ひとびとを、町をお守りください、と、祈る思いでした。
出雲そばのリベンジもしたいですし、またあの居酒屋さんにも足立美術館にも行きたいですし、出雲歴史博物館へもやはり行っておけばよかったと思いますし、帰ってきて調べてみたら通ったところの近くに気になるお店を見つけたことですし、日本神話を軽く振り返ってみたら今回見てきた名所・史跡をまた違った視点で見られそうだと思ったので(なぜこういうことって帰ってきてから気づいたり調べたり見つかったりするのでしょうね)、また出雲に行きたいと強く思いました。いや、これはもう行くしかない、生きてる内に、動ける内に。