あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

英語は苦手だけれど勉強しなければならないという日本人のための、日本人のためだけの英訳・和訳方法(断固非推奨)

長い言い訳な前置き。

勅令

 姪っ子の息子は勉強がちょっとあれなので、この冬休み中にすこしでもどうにかしようと親族会議が開かれ、議決によりもっとも暇そうにして笑顔で傷をえぐる辛辣な口をたたくわたくしに(この子もよろしくない口の持ち主なものですから、平和的にねじ伏せられそうなカウンターパンチャーとして)遺憾ながらも「どうにかせぃ」の任を仰せつかりまして、さてどうしたものか、どこから手をつけたものか…。

 

 古い記憶をかき回してまず飛び出してきたのが英語。

 もう10年ほど前になるでしょうか、大学かなにかの公的な場で英語の講師をされている大変珍しい名字をおもちの日本の方に1つ教えて頂いたことがありました。(その後、風の便りでTOEIC900点オーバーという噂を耳にしましたが、トーイックというものがなんなのか、配点はどうなっているのか、何点満点なのか、そもそも900という数字は聞き間違えたのではないかと、まったくわからなかったのですが、噂がほんとうだとしたらすごい方だったのでしょうねぇ。)

 

 それは「たいていの英文は後ろから訳していけばいい」という、初心者用の誰でも知っているようなことでしたが、それはもうサラサラッとメモ書きで手際よく教示して頂いたものですから感激してしまいました。

 

翻訳ソフトは?

 その後、翻訳ソフトもこの理屈で動いているのかな?と疑問に思いましたので、すこし調べてみましたが、どうやら膨大なデータを蓄積して比較して出力をかえす参照型なようで、それじゃあ処理に時間がかかりリソースもばかにならないねぇとおもいました。

 今は文字を打ってるそばから訳し始めてくれますので、そんなことはないのでしょうけれどね。

 

 さらにその後、「わたしゃ外国には行かないし日本に来る外国人が日本語喋ればいいんだよ」という御仁や、学校の科目にあるから単位取得のために仕方なしに英語の勉強をしなけりゃならんのという学生さんでも、多少なりともよりわかりよい方法はないかと考えたました。

 

 そして思い当たったのが「返り読み」の応用型です。応用というよりもほぼそのままで、尾ひれ背びれを付け足しただけのいかがわしいものなんですけれどもね。

要は「主部を訳したら後ろから(訳す)」です。

切ります。

 英訳するときは、まずは訳しやすい日本語に言い換えて文節に区切ります。

 ただし国語での文節の区切り方とちょっとちがうのは、各節の最後が「な・い・の」のときには区切らないということです。

 「な・い・の」で区切らないのは、これらは修飾語や所有を表す語にくっついてくるもので日本語と語順が変わらないからです。

 

並べます。

 区切りましたら主部の目印となる「~は」「~が」(「~も」)を含む文節を先頭に置き、あとは最後尾の文節から順に置いていきます。

 「~も」は、「~は」や「~が」に比べると登場頻度が低く主部を表すところにだけ現れるのではないので、そのうち見分けられるようになったら気にすれば?とおもうので( )してます。

 

 するとだいたいの英文のできあがり。あとは微調整。

 

できあがり。

 語尾に「か」があれば疑問文、語尾や語尾の方に「た」があれば過去形、「てい」があったら進行形、「れ」があれば受け身、助動詞以外で「していました」や「したことがあります」みたいなちょっとまどろっこしい言い方をしているときは完了形といったこまごましたことはおいおいということで。

 

例1

 文節に区切ると、進行形の訳のような、たとえば「食べています」というところが「食べて/います」と句切れて動作を表す節とbe動詞を使うような状態を表す節にうまい具合に分けられますので見分けがよいかとおもいます。

 

 ただ、お気づきのこととおもいますが、これですと「持っています」や「知っています」のように動作が継続するような、「~して/います」と分けられるのに進行形とならないものがあるので、英語嫌いにイヤがられそぅなんですよねぇ。はぁ~。

私は大きなクリスマスケーキが食べたい

     ↓

大きなクリスマスケーキを食べることをしたい

     ↓

①私/②大きな/クリスマスケーキを/③食べる/④ことを/⑤したい

     ↓

①I/②a big/Christmas cake/③eat/④to/⑤want

     ↓

①I⑤want/④to/③eat/②a big Christmas cake

     ↓

I want to eat a big Christmas cake. おわり。

 

例2

 複数の文が接続詞やなんかで1文になっているものを和訳するときは、「最初の主部を訳して次の主部を訳したら後ろから(訳す)」と、これでまぁまぁまぁまぁな感じにできあがるかとおもいます。

I think(that)my mother is cooking Christmas dinner now.

     ↓

①I②think③my mother④is/⑤cooking/⑥Christmas dinner/⑦now

     ↓

①私②思う。/③私の母④いると/⑤つくって/⑥クリスマスディナーを/⑦今

     ↓

①私③私の/母/⑦今/⑥クリスマスディナーを/⑤つくって/④いると②思う

     ↓

私は私の母が今クリスマスディナーをつくっていると思う。 end.

 

例3

 英訳すると、マトリョーシカのような入れ子構造の日本語文は、英語文ではかたまりごとの言いたいこと順になると言ってわかってもらえればいいのですが。

私は私の母が今クリスマスディナーをつくっていると思う

     ↓

①私/【②私の/母/③今/④クリスマスディナーを/⑤つくって/⑥いると】/⑦思う

     ↓

①I/【②my mother/③now/④Christmas dinner/⑤cooking/⑥is】/⑦think

     ↓

①I⑦think/【②my mother⑥is/⑤cooking/④Christmas dinner/③now】

     ↓

I thinkmy mother is cooking Christmas dinner now】.

思う私の母今クリスマスディナーをつくっていると】)

     ↓

I think my mother is cooking Christmas dinner now. おわり。

 

(若者には色とりどりの方が好まれるかな?わたしにはカラフルな文字は目がチカチカしてぜんぜん頭の中にはいってこないです。電話を左耳で受けたりカーナビの音声案内がなにを言っているのか理解できないように。やっぱり左なんですよねぇ

 

こまごま小言

 パズルのようで「おれいけるんじゃね?」と思わせられたらしめたものなんですが、この仕掛けにうまく喰いついてくれるかなぁ?

 

 キャスト・ピッチングの前に一般動詞とbe動詞の使いどこを、最後の文節に動作を表す語があるかないかで見分けたら?といってみたり、表現の幅をお手軽に広がる助動詞を撒き餌としておびき寄せようかとおもうのですが、ルアーと撒き餌は逆にした方がいいのかなぁ?(←気の短いやや潔癖傾向ですので釣りはしませんしわからないので調べました。おかしな表現でしたらすみません。)

 

 最も品詞が少ないにも関わらず表現の幅を大きく広げる助動詞から植えつけてやろうとおもいます。

 わかるわからないの前に覚えられる覚えられないということがありますし、勉強には理屈ではなくただただ覚えなければならないというところが少なからずありますので、助動詞10個の種を蒔いて、そこのところを見分けたいとおもいます。

 

 残念ながら芽が出なかった(覚えられなかった)あかつきには、不本意ながらも記憶障害の疑いのあることを報告せねばなりますまい。

 

 以前はポケモン、最近はデュエマ?っていうんですか?なんだか複雑そうなルールで、大量の札にちんまい字で書かれた文字を逐一読まずに円滑にゲームを展開しているところをみると、記憶力に問題なさそうですけれどもねぇ。

do/does:(~する)

did:(~しました、~した)

can:~できる

may:~できる、~かもしれない

will:~するつもり、~する予定、~するでしょう ≒ be going to ~

shall:~しましょう、(きっと)~する

(shall we~? ≒ Let's~:~しましょう)

must:~しなければならない、~に違いない ≒ have/has to ~

(mustn't:~してはいけない ≒ Don't ~)

(don't/doesn't have to ~:~しなくてよい、~する必要はない)

would:[丁寧な言い方をするとき]

could:~できた、[丁寧な言い方をするとき]

should:~すべき、~した方がよい

 

 あとはおいおいと言いつつも…「-sh」は「-シュ」、「-ther」は「-ザァ」、ウッ(ドゥ)・クッ(ドゥ)・シュッ(ドゥ)のように「-ッ(ドゥ)」は「-ould」、ライト・ファイト・ナイトのように「ーイト」は「-ight」、母音aiueoのaはエイとア、iはアイとイ、uはユーとウ、eはイーとエ、oはオウとオ、カはkよりcのことの方が多いなどなどなどなど…

 いざ仕込もうと準備し始めるとあれもこれもでどっから手を付けたらよいものか、言いたいことが増えていく一方で取捨選択がたいへん。

 興味のある子を対象とするなら歴史なんかも絡めて話せるけれど、相手が興味のないところからのスタートではねぇ…。

 やる気はなくてもそれなりの振る舞いができればいいのですが、わたしの前でガキになられたらどうしましょう。

 はじめに「ガキは嫌いだよ」と宣言しておかなくっちゃ。

英語のしくみが見える英文法―ネイティブのセンスに迫る!

英語のしくみが見える英文法―ネイティブのセンスに迫る!

  • 作者: 酒井典久
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2005/02
 

(↑こちらの本に書かれていることの信憑性は「?」ですが、OxfordやLongman英英辞典を手元に置いてみましょうかと、ふとっよぎりますが、書店であの厚さを前にすると「これは漬け物石の代わり」にしかならなそうね、と、ぬか床もないのに想像して、この案を棄却しています。)

 

 大和言葉、古代日本での会話は詩であり歌であったそうです。

 でもそんなまどろっこしい話し方してないでしょうと半信半疑でした。それがStuart Varnam-Atkin(スチュアートではなくステュウットですね)さんの英文の朗読を聞いていますと、こういうことなのかな?とおもいます。

 

 真偽の程は別として、「音楽は言葉の副産物」ではなく「言葉は音楽の副産物」の方がすてきですね。

歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化

歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化

  • 作者: スティーヴンミズン,Steven Mithen,熊谷淳子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2006/06
 

 

おわりの但し書き

 英語は嫌いではなかったのですが苦手で、結局は身につかなかった者の小手先で誤魔化した腰の入っていない心技体不一致のまがいものですので非推奨です。英語を日本語に直したり返り読みしないで、英語を英語のままに理解できるほうが当然断然圧倒的にいいわけですから、ネイティブとの英会話やシャドウイングなんかを強く、つよ~くお勧め致します。

 

 英語が死ぬほど苦手でこのままでは死んでしまう、英死してしまうというような方であればよもやなにかの参考になるやもしれぬこともないかもしれないようなこともないような…。

 あの子がガキにならないことを祈りつつ試してみようとおもいます。

 

 万能の天才と称されたレオナルドさんもラテン語をマスターすることはできなかったようですし、なが〜い、なが〜い目でみましょうか。

 

 昔なにかの本にレオナルドさんの蔵書は96か98冊ほどだったと記されていましたが、何千何万冊もの書籍を読破してしまう現代の読書家の情報量ったら驚異的ですね。

 現代人ではないですが新渡戸稲造さんは札幌農学校の蔵書を読破したという逸話があったとおもいますが、読書スピードと理解のはやい方がうらやましいかぎりです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日に寄せて 彼の蔵書目録 : ルネサンスのセレブたち

 

 これもなにかの本で読んだとおもうのですが、コンピューターの技術もまだまだで普及もしていなかったころ、素粒子のクォークという名称のネタもとである、あの難解なフィネガンズ・ウェイクに使われているアルファベットの数を数え上げた方がいらっしゃるようで、その調査による1番使われているのがe、次に使われているのがaだと記されていたとおもいます。

 世の中には奇特な方がいらっしゃいますねぇ。