生きづらい砦
戦場になった天守というのはあるでしょうか?
進軍の勢いをそぐためにズラして架けられた幅の狭く急な階段や見通しをわるくした廊下など。
戦国の世ではいつ昨日の友は今日の敵となるやもしれず、また、交戦中に交渉に来た敵将に城内部を見取られることもあったでしょう。
手間に見合わない配慮なのだったのではないでしょうか?
城主の命を削る味方?
天守が平和な時代につくられたにしても、倉庫・食料庫・武器庫だったとしても、一度も戦場になったことのない天守にさまざまな仕掛けを施して意識的に動線への配慮を欠くことは、天守で生活するということはあまりなかったでしょうが、(信憑性は定かではありませんが)右利き優位社会で小さなストレスを蓄積してしまう左利きの方が短命あるいは事故が多い傾向にあるように、命数への弊害の一助を担っていたのではないかとおもいます。