気体・液体・固体:風の政治家・氷の政治家・石の政治家
『英雄たちの選択「関東から天下へ!〜上杉謙信の夢と野望〜」』の回において司会の磯田道史さんは、
ぼくねぇ、歴史に現れる政治権力って三つあると思ってて、気体と液体と固体があると思うんですよ。
それがなぜかっていうと、風の政治家・氷の政治家・石の政治家、政治権力なんですよ。
それはなぜかっていうと、たとえば信長とか謙信のような者はどちらかというと気体で、風のように一時席巻するんですよ。
そいでかなり遠くまでうわぁーーっと伸びてって、驚くべき一時的には勢力になる。
だけど永続性が高いかって言うと風が止むとパタンとなくなるっていうね。
んで、あとその中間が豊臣秀吉みたいな者で、それの反省に立ってある程度あれするんですけど、やがては溶けてなくなってそれほど長くない。
一方は徳川だとか北条の割と長く続いた支配のように、人間の欲望をちゃんと制度化・システム化していて、固く石のようにそのイスの上に座ればイスのようにしばらく座っていられる。
と、このとき共演されていた中野信子さんもおっしゃるように、おもしろいカテゴライズをされていました。
このようなおもしろいお話を聞きますと、なぜか自動変換、もじってしまっているという変な無意識というのかクセがあります。
それで今回ガラガラポンッと勝手に出てきた言葉が「期待・益・意志」。
これはもちろん「気体→期待」「液体→益」「石→意志」のことです。
「気体・液体・固体」か「風・氷・石」のどちらかで統一できていたらよかったんですけどねぇ。
政治の三態:期待・益・意志
言葉がボワッと生まれた後に(これは政治家ではなく政治についてになっちゃってますが)強引に付した説明が…
気体は期待であるから瞬時に大きく広がることができるけれど、期待がしぼんできたり現実が期待に追いついてくると、パッと雲散霧消してしまう脆く儚いもの。
固体は固い意志によってなるもの、意図してちゃんと設計されたもの。
経年劣化(制度疲労)や無茶な使用法(外圧)なんかがなければ長年の使用に耐えられるもの。
そして気体と固体の中間にある液体は熱移動によって状態変化しやすい、柔軟ではあっても温度管理の難しいもの。
期待と意志とを絶妙にコントロールして、期待だよりになることなく、また計画遂行を至上のものと位置付けるのでもなく、実利を得ることを第一とする。
夢と現実、アメとムチ、冷静と情熱、計画と思いつき、期待と意志と巧みに操れる者がなければたちまち一方に傾いてしまい、その勢い抑えることが能わず気体となって消えるか固体となって凝り固まって身動き取れなくなって潰えてしまうもの。
というものです。
いい感じ
ここのところ磯田さん興味深くておもしろい見解を話されることが多くなってきたような気がします。
以前よりもお話されているところが放送にのるようになり、抜かれている時間が明らかにのびましたものね。
これは気のせいかもしれませんが、中野さんがいらっしゃるときの方が「おーっ」と思わされる意見を発したり、その頻度が高かったりするような気がします。
また中野さんの方も他の番組で見るよりも磯田さんとご一緒されているときの方が画面に映し出されている時間が長く、とてもたのしそうに見えます。
(きっちりリハーサルするといわれているN・H・Kなのにですよ)
互いに知的好奇心を(他の方と接するとき以上に)刺激しあえる、なんかそんなようなソウルメイトのよう(?)だと羨ましく微笑ましくすこし嫉妬交じりの目でいつも拝見しております。
お二人が揃うとおもしろい。
こちらもいかが?