出家を飛び越して
「一」の思想を説くひと世に数あれど、そこから体系的に世界を展開、(再)構築してみせ、さらにそこではどのような道徳が成り立つのかまでをも理をもって構成しているひとはそうそういらっしゃらないのではないか?もしかしたらそんなひとは他にいないのではないかともおもうのですが、いかがでしょう?どなたかそのような方をご存知の方いらっしゃいますか?
そうでない宗教もたくさんありますが、宗教や宗派、思想や教理においてその教えの核心部は修行が完成した時、またはその後に授けられるものです。
これは武道や伝統工芸で考えるとよりわかりやすいでしょう。
武道では、奥義というものは最後に教わり、それで免許皆伝となります。その後は一派をなすもよし、剣客となるもよし、仕官するもよし、といったところでしょう。
伝統工芸の世界では、一子相伝。他言無用の秘中の秘。として伝えられる秘儀といったところでしょう。
いずれにせよ核心部というのは、一般的にはそうそうはじめから伝えられるというものではありません。