親の敵

わたしの母はキレ者でした。 母は生涯、賢い父の父性に、表立ってはいませんでしたが、それでもどこかいつもその影にとり憑かれていました。 父を超えるような、せめて匹敵するぐらいの父性を求めてさまよいましたが、ついに巡り合うことはできず、母の才は男社会のなかで黙殺されました。 なのでわたしはおじいさんの功罪…