あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

【イラスト】よく聞こえなかったからもう一度言って。なんだって?ワニ?

聞こえたけど聞こえないフリ

ワニ?

生息地

 しょっぱい冷たい対応をされるようなところではあまり見かけられません。いい塩梅に淡泊で暖かな淡水域を好み、そこから離れようとはしません。

 

 身をえぐるような鋭い質問や不利な状況へと追い込む追及の矢がスコールのように降り注ぎ、嵐のように浴びせかけられる記者会見の場などにときどき現れます。

 

特徴

 ちゃんと聞こえているのにその質問には答えたくないという心理からくるものなのか、ワンクッション入れたいみたいで、相手に「聞こえているだろ!」と思われようと言われようとつい「ワニ?」とさも聞こえなかったようなそぶりを見せます。

 

 パニックに陥り一時的に聴力が衰えてしまうために、ほんとうに聞こえていないということもありますが、ほとんどの場合は「ワニ?」ということでその質問をなかったことにできないだろうか?という甘く儚い淡い願いのため、またはこれは夢ではないのか?という現実逃避のため、はたまたそれらしい言い分を考えるためのわずかばかりの時間を稼ぐためといったために見られる行動のようです。

 

 耳に手を当てるのは単なるジェスチャーです。

 この距離感で聞こえないわけがないですし、耳に手を当てると音がこもったり変に反響してむしろ聞きづらくなりますから。

 

ワニワニなにワニ?

 「ワニ?」には対極にある二種があります。一方はみずからが窮地にある種、もう一方はみずからが有利な立場にある種です。

 

 窮地にある方の「ワニ?」は、なんとかその場をはやく抜け出したいと望んでいて及び腰ですが、力関係の有利な方の「ワニ?」は、「もう一度言ってみろコノヤロー」色の強い喧嘩腰の「ワニ?」なので、ここでもう一度くり返しておなじことを言ってしまうと噛みつかれる危険性がありますので、十分に注意してどちらの「ワニ?」かを見分けましょう。

 

 たいてい簡単にどちらの種であるかは見分けられるのですが、ごく稀にどちらともとれる態度や声色で近づいてくるものもあります。そのときはよく観察して見極めるか、諦めて賭けで行動に出ましょう。

 

叩かれて丸くなる

 開いた口を閉じさせるのは見た目ほど大変ではありませんが、閉じた口を開けさせるとなると難しく、また大変な危険をともないます。怒りが治まって自然に語り出すのを待ちましょう。

 

 運悪く嗅ぎつかれて噛みつかれてしまったときは一刻も早く逃れられるように善処しましょう。遅くなると輪転機が回り出して、噛みついたままローリングしはじめますから修復も修整も言い逃れもできないようになり、致命傷を負うこと必至となりますから。

 

 生まれついての「アリガートー」というのもたくさんいるのですが、窮地を脱した「ワニ?」や事件から数年した「ワニ?」がこれまで気づかなかったまわりの支えや何気ない日常のありがたみを知って「アリガートー」となるというケースも珍しくないようです。

アリガートー

近縁種

 縁の下の力持ちに徹して裏で長年支え続けてきたのですが、疲れてしまってどうにもこうにも力がでない、もう気力の湧いてこない「黒子ダルイ」。

黒子ダルイ

 「ワニ?」や「アリガートー」、「黒子ダルイ」の他にこんなワニもいます。

 

 

  • サシの勝負にこだわる「タイマンカイマン」
  • 斑点が散財するタイル状の皮膚をした「鹿の子タイル」
  • はるか昔に黒歴史をもつ「黒古代ある」
  • エグい惨状の広がる開けた地に住む「グロ小平」
  • 早口にあわせて大量発生中!「裏庭には二羽庭には二羽ワニワニワニワニ」
  • 鬼のようにつよい「鬼の子ワニ」
  • 『東洋の真珠』に生息する「ワニラ」
  • 世界を渡り歩く「グレートワーニー」
  • チェーホフさんによって紡ぎ出された「ワーニ伯父さん」
  • ロサンゼルス出身だと詐称する「入江ワニ」
  • 初代大統領「ジョージ・ワニントン」
  • イギリス原産で後にインドに生息地を移した「アレキサンダー・ワニンガム」
  • ニューヨークに生息する赤毛のメス「ワニー」
  • 空飛ぶじゅうたんに乗ったまったく新種の「ホール・ニュー・ワーニだ」

などなど。

ワニ - Wikipedia