あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

傷つきやすい血脈の強い血のつながり

七人転び八人起き

 先日また血縁者のひとりが救急搬送されました。

 

これが世に言うムネヤケ

 生涯ムネヤケというものを経験したことがなく「これが胸焼けってやつかぁ。胸焼けってこんなに苦しいもんなんだねぇ」と、半ばひとごとのようにおもい、また、これまで胸焼けで苦しんできたひとの苦しみに共感できなかったことをいくぶんすまないとおもっているような様子で、村の診療所へと赴きました。

 

 ここはあまりにも山深いところなので、診療所といっても普段お医者さんはいません。週に一度、町から来てくれるというような過疎地。折しも「ムネヤケ」のした日がその日でした。

 

 それで診察結果は「心筋梗塞の兆候が認められるから、とにかく今日は安静にして、すぐに大きな病院に連れてってもらいなさい。帰ってもくれぐれもなにもしないように、動かないように」と念を押されました。

 

 しかし「心筋梗塞」の重篤さ、深刻さがどれほどのものかわかっていないようで、家に帰ったら「ムネヤケ」がだいぶ引いてきたからといって、大したことなさそうだと自己判断して、お医者さんの忠告もそこそこに、梅の実を摘み始めました。

 

 すると途端に「ムネヤケ」が数割増しでぶり返し、「これはたいへんだ」と直感し、すぐまた診療所へ引き返しました。

 

 「なんで動いただぁ」と小言を聞かされつつ、今度は「今すぐ病院に行ったほうがいい。救急車呼ぶから安静にしてなさい」と、搬送されることとあいなりました。

 

 とはいえ、救急車が来るまで2時間ほど、そこから病院へと行くのにさらに2時間、計4時間の救急搬送。人間を運べるぐらいのドローンでもできてくれるともっと救搬送になるのですけれどもねぇ。

 

いきさつ

 その翌日、「心筋梗塞で救急車で運ばれた。意識ははっきりしてる」と連絡をもらったので病院へと行きましたら、病室は個室のICU(集中治療室)。

 他の病室階とは異なり、病室へとつづく廊下に押しボタン式の自動ドア。しかもそのボタンを何度押しても開かない。

 そのドアには「面会は2名まで」と「ご用の方はインターホンでお呼びください」と書かれた注意書きの張り紙が。

 インターホンを押して「面会です」と言うと、さきほどまで開かなかったドアが開きました。

 他の階では電子機器を使うことができるのですが、この階ではパソコンも携帯電話もすべて使用禁止のマークがあちらこちらで警告を発しています。

 

 これらすべての状況が暗示しているのは、この先で待つ重病人。

 「意識ははっきりしてる」の「意識は」の「は」が、どんな姿でも、体からどれだけたくさん管が出ていようとも動じないように、「覚悟をもって気を確かに」と促すように思い起こされました。そしてほんの少しだけ身構えて、いざ病室へ。

 

 すると連絡通り「意識ははっきり」していました。

 そして「は」どころか「も」はっきりしていました。

 つまり元気そう。

 ICUの患者なので元気ではないですけれども、管も2・3本程度ですんでますし、前回あった時よりも血色もいい感じがしました。

 補聴器も前より調子がいいのか、今日はだいぶ会話が成立する。

 

 もうなんどか話したであろう「これまでのいきさつ」も、それさっき聞いたけど…2・3度ハキハキと繰り返し話してくれました。

 そのとき気になったのは、自分のことなのに、まだ「心筋梗塞」の怖さが一般的な認識には至っていないということと、どうしても「心筋梗塞」を「シンシンコウソク」と言ってしまっていること。これはろれつが回らないということではなく、「しんきん」を「しんしん」だと思い込んでいるだけ。まあ「身心拘束」も重篤な状態ですけれども…。

 

 今回はまだ手術が必要というほどではないようで、検査入院で2週間ほど経過をみて退院となるそうです。

 心筋梗塞ってウッ!となってバタンッ!というパターンが大半だとおもっていたのですが、じんわ~りくるものもあるんですねぇ。それも数時間にわたって。

 

 これまで胸焼けをしたことがないというのも驚きですが、こういった負の経験、望ましくない変調というものも体験しておかないとこれほどまでにわからないってこともあるんだねぇという驚きもありました。

 わからないもの、知らないこと、未知のことを低く見積もりやすい傾向が人にはあるようですね。とくにウチの者のように昔から病院へ行きたがらない人は、そういう傾向が強そう。

 

血脈の傾向

 以前「倒れゆく家族のはなし」という記事でも触れましたが、うちの者がバッタバタと倒れていきます。

 しかしその後、脳梗塞でこれまた救急搬送に3時間ほどかかってしまいましたが一命をとりとめ、右半身に麻痺が残ってしまった者はだいぶ話せるようになり、病院から移された施設で「家に帰りたい」帰りたいとばかり愚痴っているものだから、それじゃあということで来週にも家に帰るようです。

 じん肺で肺がんを患い酸素吸入していても息苦しく、まともに立ち上がることもできなくなり、今年ばかりの命かな、と、本人もお医者さんも周りの者もみな思っていたのですが、月に1回通院してはいるものの、家へ帰って安静にしていたら、あれほど真っ白だったレントゲン写真にお医者さんも「こんなことはない。今まで見たことがない」と言わしめるほど黒みがさし、つまり治るはずがないのに治ってきたようで、先日など家に誰もおらず、上の前歯4本の入れ歯がぐらぐらするからといって、家から200mほど先にある歯科医院まで歩いて行って、歩いて帰ってきたというのです。

 

 墓場に両足突っ込んだ者が今月になって片足を外に出しはじめた、冷やし中華のはじまる頃。どうやらうちの血筋はしぶといようです。ただしみな循環器をやられます。

 前回は書きませんでしたが、昨年脳梗塞で倒れた者、もう何十年も入院している者、その他もろもろ、まだまだ血をやられている血縁者がぞろぞろおりますが、その者たちもみな後に盛り返しています。

 この血は強いのか弱いのかよくわからない。いちおう赤いので再生能力のあるナメック星人ではなく地球人ではあるようです。

 

濃縮還元された傾向

 循環器をやられてもしぶといのは父方の傾向。

 母方は「昨日まであんなに元気だったのに」と、父方同様しぶといですが、いくときはポックリが大多数。また循環器をやられるということはありませんが、精神をやられる傾向があるようです。

 

 わたしは父母二系統のあまり好ましくないところの血を色濃く受け継いでしまったようで、循環器も精神もやられっぱなしで年々、心身拘束ぐあいが高まっております。

 

 また、医学的根拠はあるのかないのかいまいちわかりませんが、血液型と病気、血液型と薄毛には相関があるような、ないような感じだそうで、もしかしたら血脈よりもこちらの影響かな?あるいは血脈と血液型のうれしくない相乗効果?と思われる節もなくはない。といったところです。

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