マイナスには「0より小さい数」という意味と「反対」という意味があります。
マイナスが「反対」を表していることのわかりやすい例をあげると…
- 数学ではド・モルガンの定理やベン図。書く場所は違うけどマイナスと形のそっくりな補集合。もっと形のそっくりな否定¬で論理和∧と論理積∨が反転。(いきなりマイナスの例じゃないしわかりづらいし…ということで次っ!)
- 素粒子物理学では角運動量・スピン。マイナスは反転を意味します。(これは身近な例ではないかぁ…それじゃあこれは?)
- 会計学では貸方・借方。取引が行われて記帳するとき、双方おなじ金額のおなじお金についての記録をするのですが、支払った方と受け取った方では貸方・借方、右側か左側か、書き込む欄が反対になります。(子ども向けの例が思いつかないわぁ…。)
簡単に加法と減法のおさらい
まずはごくごく簡単に足し算・引き算のおさらいから。
- 3歩進んでさらに2歩進むとなると、スタート地点からは5歩進んだことになります。「3+2=5」
- 次に、3歩進んで2歩下がると、スタート地点からは1歩しか進んでいないことになります。「3ー2=1」
- 順番を逆にして、2歩進んで3歩下がると、スタート地点から1歩下がったところにきます。「2ー3=ー1」
- はじめに3歩下がってから2歩進むと、スタート地点から1歩下がったところにきます。「-3+2=-1」
- 順番を逆にして、2歩下がって3歩進むと、スタート地点から1歩進んだところにきます。「-2+3=1」
- 3歩下がってさらに2歩下がると、スタート地点から5歩下がったことになります。「-3-2=-5」
ところで、減法は加法に書き換えることができました。たとえば「-3-2=-5」という式は「(-3)+(-2)=-5」といったように。
上の例のように、式と言葉とを対照させてみると、「+」というのは「て」や「~した後」のように時間経過を表しているようでもありますね。
加法にしても減法にしても、マイナスが出てきてもイメージも説明もしやすいですね。
ここではただ「3歩進んで2歩下がる」を言いたかっただけなので…次っ!
西は0より小さい?
学校でマイナスについて学ぶとき、計算問題にとりかかる前に次のような問題について考えることを通してマイナス概念を教わるようです。
問題:東に3kmすすむことを+3kmと表すとき、西に2kmすすむというのはどのように表せるか。
答え:-2km
もしマイナスには「0より小さい数」という意味しか含ませられないのだとしたら、この問題成立しませんよね?
雑な言い方ですが「西は0より小さい」とか「西に進むことは0kmより小さくすすむ」ってわけわかりませんものね。
この問題の前後で数直線が登場するようですが、この数直線を眺めてみてもマイナスは0より小さいということと0を基準として異符号の数字が対称に配されていることが見て取れます。
絶対値とかベクトルとか、そのあたりで考えてみてもおもしろいかもね。
なにはともあれ、マイナスが「0より小さい数」ということ以外に「反対」ということも意味していることは先の問題をみるとわかりやすいですよね。
寄り道「マイナス×マイナス」
では次に難敵「マイナス÷マイナス」に挑むっ!…前に、加法・減法に続いて乗法に軽く寄り道しま〜す。
3人から2円ずつもらいました。いくらでしょう?は「3×2=6」で6円ですよね。はいっ次!
3人に2円ずつあげました。いくら失ったでしょう?は「3×(-2)=−6」で−6円、つまり6円失ったということで…これ以上の説明いる?こんなんでいいよね?じゃあ次!
−3人に2円ずつあげました。いくらでしょう?…「−3人」て…ちょっと苦しい説明になりますが…上の二つの問題では3人のひとがわたしにお金をくれました。お金の流れが3人から私(3人→私)です。
ついでに2円は利益と負債(負債の反対語は資産ですが、資産だとねぇ…マイナスの資産とかあるから…)または貸金と借金。+2円は2円の利益・貸金で-2円は2円の負債・借金。
これを式で表すと「(-3)×(-2)=6」となりますが、これは「3人→私」の矢印が反転して「3人←私」となり、「2円の貸金」は「2円の借金」となります。
これを、いささか意訳となりますが物語調で説明しますと、数学の言葉、数式から国語の問題へと翻訳・書き換えてみますと…「2円の借金というのは貸し出した3人からすると6円の利益となる」となります。
数式っぽくあらわすと…
−(3人→私[3人から私へ])×−([2円の借金])
=(3人←私[3人へ私から])×(2円の貸金)
=(私→3人[私から3人へ])×(2円の貸金)
=(私が3人それぞれから借りた2円ずつのお金はいくらか?)
…といった感じ。
ちょっとわかりづらいかもしれないから抑えのもう1例。
わかりやすさはたいしてかわらないけれど…
- 1分あたり3Lずつ水を入れるとして2分後の水のかさはいくらか?「3×2=6」
- 1分あたり3Lずつ水を入れるとして2分前の水のかさはいくらか?「3×(-2)=-6」
- 1分あたり3Lずつ水を抜くとして2分後の水のかさはいくらか?「(-3)×2=-6」
- 1分あたり3Lずつ水を抜くとして2分前の水のかさはいくらか?「(-3)×(-2)=6」
先の例では立場や金流れが、そしてこちらの例では時間(過去⇔未来)や水流れ(入水⇔脱水)がマイナス符号によって"反対"になります。
いよいよ本丸「マイナス÷マイナス」
入水・脱水で例をあげると…
- 2分後に3Lの水が入ります。1分あたり何Lの水が入っていったでしょう?「3÷2=1.5」
- 2分前に3Lの水が入っていました。1分あたり何Lの水が抜けていったでしょう?「3÷(-2)=-1.5」
- 2分後に3Lの水が抜けます。1分あたり何Lの水が抜けていくでしょう?「(-3)÷2=-1.5」
- 2分前に3Lの水が抜けました。1分あたり何Lの水が抜けていったでしょう?「(-3)×(-2)=6」
これまでと違って「1分あたり」なんて数式に含まれる数以外の数字があらわれて、ちょっと厄介ですね。でもまあこんな感じでいかがでしょう?
…って、わかりづいらいよね〜。
イメージしやすいもっとわかりやすい例がないかと考えてみたのですが、もう飽きちゃったちょっとおもいつかなかったので、本エントリの"本丸"の内容であるにも関わらず、急ではありますがこれにて終了ぉ。
探してみればちゃんとこういうサイトがあるじゃない。書く前に調べればいいのに、書きながらだったり、書き終わってから調べるからこんなんなっちゃうよね〜。
ということで、わかりやすい説明あり〼。こちらに↓
兎に角、わたしはもうこの話題に飽きちゃったのでおわります。