はじめに但し書きです。
対象は中学3年生で英語を苦手とする高校受験生です。
この方法は厳密なものではありませんのでうまく特定できないことがありますのでご注意ください。
英語の問題で文章中の動詞の原形がカッコで囲まれていて、適する形に直しなさいという問題があります。
英語があまりに苦手すぎてわけがわからなくなっている受験生は、毎回テキトウに勘で過去形にしてみたりingつけてみたりしているのではないでしょうか?
ところで、動詞の「適する形」というのはぜんぶで何通りあるでしょうか?
「動詞」と言い切ってしまっては語弊がありますが、ここでは気にせず言ってしまいますね。
動詞の語形変化は5パターンです。
- 原形
- 三人称単数現在形のs(三単元のs)
- 過去形
- 現在分詞(-ing)
- 過去分詞(受動態/受け身や完了形で使われます)
※上3つは動詞ですが下2つは動詞ではありません。
当然のことながら原形を含めなければ4パターンです。
なので実質4パターンなんですが…「必要であれば適する形に直しなさい」といったふうに出題されることがありますので、それで、だからここでは5パターンと言い張ることにします。
「動詞」と言い張ってはよろしくないところというのは、現在分詞や過去分詞は動詞ではなく分詞ですし動名詞やら省略された文やら…まあ諸々あるというところです。
それで強くは言えないのですが、ここでは英語の苦手な中学生を対象とするということで、ちいさいことは気にしない。
あるいはハートで感じれば根は同じ!ということでスルーします。
動詞変化診断チャート
「語形変化とか、もう意味がわかんない」という方へ。こんな目安はいかが?
字が小さくて見づらいですよね。ですから上から一通り書いておきます。
- ( )の中の動詞を適する形に直しなさい
- ( )よりも前にbe動詞(am,is,are,was,were,be)がある
- →主語が物で文の後半にbyがある(ことが多い)
- ( )よりも前に助動詞のhave,has,hadのいずれかがある
- ( )の直前にtoあるいは( )の前に助動詞(do,does,can,will,may,shall,must,would,could,should)がある
- 文の後半に過去をあらわす語(last,yesterday,agoなど)がある[あるいは前後の文が過去形の文である]
- 主語が三人称単数(he,she,it,this,thatや固有名詞など)[ただし主部にはandやorがないこと]
- ( )の中の語が動詞ではない可能性あり
一般的なフローチャートでは、分岐は下が「YES」で横が「NO」なのですが、それでは横長の図になってしまうので、それでYESを横NOを下にしました。
はじめ分岐を◇でつくったのですが、テキストがみっちり入らず余白が多くて図が無駄に大きくなってしまうのでそれはやめて、すべて□にしちゃいました。
1~3の分岐の順番に迷ったけれど、もう考えるのめんどうだからこれでいいにする。した。
ためしに問題です。
問題と簡単な解説を付しておきます。この解答と解説を見るにはボタンをクリックしてください。ボタンが開閉して確認できます。
問題:次の( )内の語を必要であれば適する形にしなさい。
(1) The project was (start) in 2000.
(2) He is (read) a book.
(3) I have never (hear) of it.
(4) Can he (speak) English?
(5) I want something to (eat) now.
(6) She (live) in Japan.
(7) Everybody (know) that song.
※以下の問題はチャートでは判別できないものの例としてあげています。
(8) (Speak) English is difficult for me.
(9) There were a lot of trees (grow).
動詞以外の語形変化について
単語がカッコで囲まれていて「適切な形に直しなさい」と出題されていても、そのカッコで囲まれた単語が「動詞」であるとは限りません。それは、分詞は抜きにしても、まだ「複数形」やら「比較級・最上級」やらありますので。
なのでカッコで囲まれていて語形変化を問われていたら、まずはそれが「動詞」なのかどうなのかを見分ける必要があります。
とはいえ中学生に出題される問題の場合、文の前の方でカッコで囲まれていれば(「前の方って何文字くらい?」って言われそうだから、目安として4文字以内。でも主語で複数形の語形を聞かれる場合があるから前から2~4文字の間であることが多い。としておきますね)「動詞」。
文の真ん中よりも後ろの方でカッコでかこまれていれば「動詞」以外ということが多いようです。
目安だよ。目安だからね。
「名詞」がカッコで囲まれていてその語形を聞かれているときは、カッコで囲まれたその単語の前に数詞(数を表す単語)や冠詞「a/an/the」があり、「形容詞」や「副詞」がカッコで囲まれていてその語形を聞かれているときは、カッコで囲まれたその単語の直前に「more」や「most」、または単語の後ろに「than」や「in」「of」があることが多い感じ。
動詞は「study」が三単現で「studies」、過去形で「studied」になるから出題されやすいみたい。
名詞は「country」で、その複数形「countries」がよく出てる。語尾が「y」のやつが狙われどころなんだろうねぇ。
形容詞や副詞は「big」かな?あんまり出題されてないから微妙だけど比較級・最上級で「bigger・biggest」と子音をもう1個つけるやつかな。
とにかく、「適する○○」といった問題では、これは英語に限らず他の教化でもそうですが、必ず答えが1つに特定される決定的な何か、「これがあるから答えはこれでしかあり得ない!」と言い切れるヒントがどこかにあるはずです。なのでそれを見落とさないようにね!
これについては次回、国語についてお話するときにまた触れます。
ややコウカイ
このチャートはどうしたらきゃつに動詞の語形変化について、もう入試まで日もないことですしあまり理解も覚えもしないでしょうから、それでも得点できる方法がなにかないかと思案して、突貫工事でなんとか思いついたもので、そのためにということでもないですが、厳密さを欠いたものです。
この弁明はチャート作成動機としては筋が通りますが、さりとて公開動機としては筋が通りません。それでも公開しようとおもったのは、英語の苦手の子のためにこの手のことを考えている方がいらっしゃったらすこしは参考になり、より正確でよいものを産みだしていただけるのではないかとおもい、それで進んで叩き台ならぬひっぱ叩かれ台になって公開処刑されようと…ということですから、(ただしM気は皆無なので)処刑人の方はひとおもいにやってしまってください。
編集しやすいように、またいつもの如く、このチャートのファイルを『ファイル置き場』に置いておきましたので、煮るなり焼くなり好きになさってください。
今回のわたしの収穫は、Excelでチャートらしきものをつくれるようになったこと。
…でも、いったいわたしはどこに向かっているのでしょう?