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あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

純化する消費行動。「ホモ・エコノミクス」は分化して「ホモ・コンスメンス」に馴化する。


生産者育成より消費者養成

 生産や消費の二次元化、つまりオートメーション化がすすみ、衣食住が足り、第三次産業のサービス業が主体となって大勢化していくと、モノの需要が低位で落ち着き、三次元実社会での生産や消費はおのずと減衰していきます。

 大量生産社会は大量消費の下支えがあってこそ成り立つ形態です。それが今やモノで溢れ消費が鈍りますと、生産に力を入れたところで事態は悪化する一方。

 これでは景気が悪いからといってあれこれ手を打ったところで消費を刺激すること適わず。

 

 これからもますます輸出入・貿易に関わりのない、関税の関係ない二次元サービス、エンタテインメント、コンテンツ市場にカネが流れmany moneyという誤った文法がmuch moneyとちゃんと改まっていくことでしょう。

 

生産ラインから締め出される

 生産の自動化の進展により人間は生産面から追い出されていき、経済活動として生産面を担うことができなくなってきました。

 本来それを「雇用が失われる」などと言って悲観することはないのですが、働かなければ収入を得られない今の労働市場、貨幣形態ではそうはならないのです。

 

 生産量も生産効率も、もうほっておいても勝手に上がっていきます。

 であるのなら、あと人間に残されている経済活動は消費。しかもできればそれは資源を食わない消費であることが望ましい。

 

 経済は生産と消費の循環です。ひとが生産面から追放されるのなら消費に専念すればいいのです。生産面から解放されれば余暇が確実に増えるのですから消費が上がり税収も上がるでしょう。eco意識で消費が抑えられてしまうということも考えられますが、それは抑えられるということでなくなるということではありませんから。

 

 さらに3Dプリンターやエネルギーの戸別自給自足がすすむほどに、モノの収得や所有に対する欲は減退していくことでしょう。するとひとは生産のみならず消費からも距離を置くようになるでしょう。

 

 しかしそのとき、それも本来なら悲観することではないのです。生産面から疎外され消費面からはみずから距離を置く。これが批難されることでしょうか?だとしたらなぜ?それは経済がまわらないからでしょう?生産と消費の循環が滞るから。

 それじゃあ生産と消費(の循環)のために、それがどんなに歪んでいようが外道だろうがむりくりそれをしようというの?ひとのためではなく経済のために?その経済はなんのため?その「ため」でいいの?

 

 これまでのながい奴隷生活で身についてしまった先入観から、ひとはなかなか消費に専念できない。させない。

奴隷のしつけ方

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  • 作者: ジェリー・トナーマルクス・シドニウス・ファルクス
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 つくらなければ、生産しなければ、働かなければ秩序が乱れる、堕落する、と思い込み、それを信じて疑わない。現実もマインドもすっかり変わってしまうのも、もう時間の問題だというのに、それを知らず感じず気にもせず、信じず疑う長老連によって社会構造変革の歩みは鈍磨させられています。

 現代人は消費者になりきれず、かといって(現代では)必要以上に生産面に介入している雑食のようです。

 

 消費するものがモノでは際限があり、自滅に向かいますが、消費するものがモノではなくなってきたので無際限の欲を消費できるようになってきました。ヒトがより純粋な消費者へと変態する過程において、三次元消費社会から二次元消費社会へのシフトは不可避なのでしょう。

 

「エコノミクス」-「プロデュセンティス」=「コンスメンス」

 ヒトとはなにか?

 これまでいろいろなひとがさまざまな呼称をあててきました。

 一通り挙げてみますと…

人間の定義

  • ホモ・サピエンス(Homo sapiens)「叡智人」「知性人」
  • ホモ・ハビリス(Homo habilis)「器用人」
  • ホモ・エレクトゥス(Homo erectus)「直立人」
  • ホモ・フェノメノン(Homo phaenomenon)「現象人」
  • ホモ・ヌーメノン (Homo noumenon)「本体人」
  • ホモ・デメンス(Homo demens)「錯乱人」「倒錯人」
  • ホモ・ファーベル(Homo faber)「工作人」
  • ホモ・ルーデンス(Homo ludens)「遊戯人」
  • ホモ・パティエンス(Homo patiens)「苦悩人」
  • ホモ・ロクエンス(Homo loquens)「言語人」「発話人」
  • ホモ・レリギオス(Homo religios)「宗教人」
  • ホモ・シグニフィカンス(Homo significans)「記号人」
  • ホモ・ソシオロジクス(Homo sociologicus)「社会人」
  • ホモ・エコノミクス(Homo oeconomicus)「経済人」

 

 先にも上げたように、経済とは生産と消費の循環のことです。

 経済の効率化を目指す現代人をホモ・エコノミクスと見るのは適切な表現だとおもいます、これまでは。

 

 でもこれからは、ヒトは経済の片面である生産から疎外される一方、消費は馴化して純化していき、そしてまたこの流れは止められず、こうしてヒトは生産(producentis:生産者)という経済活動の一側面を失い、消費(consumens:破壊的な、消費者)するヒトと(のみ)呼ばれうるものになっていくことでしょう。

 

 とはいえこれはなにも人間による生産が一切なくなるというわけではありませんよ。生存に欠かせない労働という生産からは締め出されても、生存との関わりのうすい芸術やアートなどの活動という生産からは追い出されないばかりか、こちらの生産は増えるでしょうからね。

 

生態ピラミッド

 捕食や被食の関係ではありませんが、生態量にあたるものを、その存在、その空間を占める面積や体積とし、「生産者」を「機械」、「消費者」を「人間」、「分解者」を「自然」と見立てますと、食物網のようではありませんか?

 

 消費がいかに容易に見えても、それを支える生産あってのものですし、その生産を行うために要する容積は、どれだけ生産量や生産効率が向上したとしても、消費者のそれよりはつねに多いことでしょう。

 

 そしてまた、その生産の場を与える大地、自然はやはり、生産に要する容積よりも大きく、消費者と生産者と分解者とで、その占める容積はピラミッド型になることでしょう。

 

 生産者の減少という現象にやや遅れて消費者の減少現象が見られるという特徴も、食物連鎖のそれとおなじような過程をたどりますでしょう?

 

「ホモ・コンスメンス」≒「ホモ・レリギオス」

 宗教は消費の行き着く先、消費行動の停止点。

 (意味のない)儀式や信仰によって浪費されて消費が昇華・消化される最終地点。

 唯一消費を消化・消滅する場であったから神聖。

 

 しかし大量生産社会となり宗教の消費能力が追いつかなくなると宗教施設にもモノが溢れかえり、蓄えられるようになって、消費機能を失っていき還俗、俗化した企業と見分けのつかない俗物となりました。

 

 こうして新たな大量消費機構が求められるなか台頭してきたのが二次元空間。

 形態をもたずモノの増減に関与しない無尽蔵な無意味・虚無空間。

 これを利用して商売とするひともありますが、基本的には、どれだけ投資・寄付寄進しても聖域でありつづけます。

 これは新たな信仰であり、失われることのない最後の消費地・サンクチュアリでもあるのではないでしょうか。

 

 それならわざわざ「ホモ・コンスメンス」なんて造語つくらなくても、既存の「ホモ・レリギオス」でいいのにね。

 

いつも心にヒョウを着て、村へ出よう

書を捨てよ、町へ出よう

書を捨てよ、町へ出よう

 

 

 今回もそこそこハデなことを申してしまったようです。

 ただしかし、わたし自身これがハデなことだとは感じていないのです。

 それはあたかも関西マダムのヒョウ柄偏愛のように。

 

 「なにこれ、お手頃やんかいさ~。でももうちょっとまけてぇなぁ」と、購入したものは他人が見たら代わり映えしないヒョウ柄。

 家に帰ってしまっておこうとタンスを開けば、すでにそこにはヒョウの群れ。また一頭ヒョウが増え、気づけばもう、すべてが豹になる。

すべてがFになる

すべてがFになる

 

 こうしてヒョウ一色となり、その派手さは鳴りを潜めます。本人にはもうそれがハデであることが知覚できない。日常だから。

日常

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 だから大したことを言っていないようで派手なことを言ってしまうKY状態がデフォルト設定となります。

 

 ふつうのことはたくさんの方が取り扱ってくれますから、わたしは意図的に、でないとまだ自分では選ばないことがありますから、ヒョウ柄なことを言うようにしています。

 ということで、これから「いつも心にヒョウ柄を」を座右の銘にしようかしら?

いつも心に太陽を

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