まだ見ぬ世界
フィンテックなどの技術革新で人的労働需要はますます縮小していくでしょう。
さらに、水野和夫さんの『資本主義の終焉と歴史の危機』(←読みやすいですがあまりに重複が多いところが残念)に資本主義の最終局面では、経済成長と賃金との分離は必然的な現象であり、このままグローバル資本主義を維持しようとすれば「雇用なき経済成長」が続くとあり、技術と資本移動停滞の強烈なダブルパンチでノックアウト間近のグロッキー状態みたい。
中心の社会主義。周辺の資本主義。
爆発物処理や災害救助、スクランブルで出動する自衛隊員、変死体対応での警察官、夜勤明け交代間近で出動する消防士、公務に就く方々の特別手当は営利目的ではないとはいえとても少額です。資本主義社会なのに。
雑な分類になってしまいますが、仕事内容に関わらず(階級や役職によって)給与が固定されているのは社会主義的な感じがします。
公務だから仕方がないのかもしれませんが、どうもひとの生存に関わる中枢にあるものほど資本主義にはなじまないような感触があります。
資本主義はひとの重大事にはむかないのでは?
いっそのことすべて民間運営にしますか?
政治が不要になって、そこへ外資が参入してきたりして、国が国の体をなさず無政府状態のしっちゃかめっちゃか。
未だ来たらん完成形
冷戦を経て社会主義の失敗が明白となりましたが、あえて問うてみたいのは、ほんとうにそうでしょうか?(※わたし社会主義者ではないですよ。共産主義者でも。)
これまで「社会主義」と呼ばれて目にしてきた体制は名目だけの民主主義。為政者にのみ有利で極端な資本格差と情報格差を生む専制政治に歪められ、経済体制が政治体制に貶められたもので、まともな社会主義体制を見たことがないんですよねぇ。
同様に、徹底された資本主義体制も、まだだれも見たことがないんですよねぇ。
資本主義は長年さまざまなバリエーションが考えられて実験してこられましたが、それに比して社会主義は短命で凶暴ものばかりの数例しか試みられてきていないのですよねぇ。
それで失敗と言い切れるのかなぁ?
(社会主義で多い)国有化は確実な収益が見込めるとき、反対に(資本主義で多い)民営化はあらかた利益を収奪した後、不良債権化して、現体制・現方針のままでは確実に増収が見込めなくなってから行われることが多いでしょう?
どっちもどっちなところがあるのにねぇ。
変なの。
ノースカロライナのジェームス・ヴェローンさんは医療を受けるためにやむなく銀行に1ドル要求する強盗をはたらきわざと捕まりました。
なにもしないより罪を犯したり亡命した方が生きやすいなんて…(財政逼迫してキューバもぎりぎりのライン超えて賭けにでていますから、これからどうなってしまうのか…。医療サービスを望むアメリカの方々はどこへ行けばいいのでしょうか?キューバの方々はいつまで国を離れる機会をうかがわなければならないのでしょうか?)。
- 『シッコ』 とキューバの医療事情|MARYSOL のキューバ映画修行
- キューバは亡命する人がいますが… - Yahoo!知恵袋
- キューバ医療最新事情 : キューバ研究室 Sala de Estudio sobre Cuba
こういった変な現象はなにも海外だけのことではありません。
2冊目の電子書籍
なにを調べていたのかは忘れてしまいましたが、関連記事のリンクを辿っていたら偶然こちらのサイトを目にしまして 、『人間仮免中』をいたく推しておりましたので、ちょうど電子書籍のポイントもあったものですから、その消化と『資本主義の終焉と歴史の危機』に続き2冊目となる電子書籍を、今度はiPadで読めるかな?とおもい(アプリがios6以上だったので前回のようにPCブラウザで読むことになったのですが)先日読んでみました。
最後の方はたいへんだったとあとがきで書かれていましたが、後半にいくほど絵や文章が整っていくように感じました。
目のズレた絵が昔懐かしい感じがして慣れていったということもあるのかもしれません。
takahirosuzukiさんは
この話は漫画という形でなくても良かったからなのかもしれない。それは文章でも、映像でも、どんな媒体であれ衝撃的であるはずだ。
とおっしゃっていますが、個人的な読後感ではマンガという形態がもっとも適していたとおもいます。
文章では作者の卯月妙子さんの感情に反して悲壮感の色が出すぎてしまいそうですし(「そうじゃないの。そうじゃないの。」というようなことを文章で繰り返されたら「痛々しい。強がらなくても大丈夫。くるしかったねぇ。」と捉えられそうですから)、映像では表層の見た目に目を奪われてしまい内面が省みられないのではないかと思います。
1ページめくって(失礼ながら)「あぁこれはハズレた」とおもってしまった絵ですし、内容もお若い方には衝撃的(とくに未成年の方はやめておきましょう)だとおもいますので、安易に誰にでもすすめられるマンガではないとおもいます。
「おすすめのマンガを教えて」と言われたわたしはこのマンガを挙げません。
「いろんなひとがいるよねぇ」というひとを紹介してと言われたり、「生きるためにここまでしなければならない社会はやっぱり変だよぉ」と考えさせられるマンガを教えてと言われたら、このマンガを挙げるかもしれません。
障害をもっている方やご病気の方々はどこへいけばいいのでしょうか?
幸いにもひとに恵まれればいいですが、ひとにも運命にも見放されて社会からも疎外されて、それでも行き場はあるといえるでしょうか?
行きすぎのブレス。つまづきのフレーズ。
「格差の何が悪い」という言葉につまずきます。
格差はあってもいいのでしょうけれども、それをお金ではからなければならない理由がわからないのです。
それに…
- 格差社会では「平均」は現状認識を見誤らせやすいとおもいます。
- 格差は人権侵害を放置しやすいとおもいます。
- 格差はパラダイムシフトを阻むとおもいます。それに関連して、(機会と結果のいずれにしても)平等は発展を阻害するかなぁ?と、疑問におもいます。ベネフィットをお金だけで考えているからだけなのではないかと…。
- 「格差の何が良い?」悪くはなかったとしても良いところはどんなところでしょう?悪くなければいい、悪くなければ良い(悪くないから良い、悪くない=良い)ということではないでしょ?
- 格差を容認するような自由競争社会でなければ民主的な社会を構築・維持できないと言えそうですが、(密接に影響し合っていてきれいに分けられるものではありませんが、それでも)それは政治体制と経済体制を混同しているでしょ?
今に追われて過呼吸状態だと思いますので一息ついて考えてみては頂けないでしょうか?
貨幣経済を否定しませんが、「生きるか死ぬか」ではなく「豊かさが上がるか変わらないか」という貨幣流通・資本使用があるのではないでしょうか?ということですから、もう一度申し上げますが、わたし社会主義者でも共産主義者でもないですよ。資本主義者とも言いづらいですけれどもね。
近いのにまったく見えない視界
北朝鮮は社会主義国ですが格差があります。まともな社会主義ではないですから。
人権問題が政治によって進捗圧を受けるというのはおかしなことだとおもいます。外交上手と言えば外交上手なのでしょうけれど、これは…
北朝鮮ミサイル発射、拉致問題の特別調査委員会解体を発表 - 産経ニュース
罪に罪を重ねるようなものじゃない?こういう↓見方はあるにしても。
北朝鮮拉致問題「これじゃ永遠に解決しない」- HORIEMON.COM
北朝鮮は本当はとっても裕福で海外へ流れる貧困風景の情報はすべて計算されていたとしたら…
たとえば国境近くのある村だけを虐げて意図的に中国(を経由した他国)への亡命を促し(北朝鮮政府と中国人ブローカーあるいは中国政府と結託して)北朝鮮は貧しい国だと思わされていたとしたら…
そこまで徹底した情報操作が行われていたとしたら、おそろしくクレバーな国だと震え上がってしまいます。
生きる伝説
指導者の暗殺やミサイル攻撃で国を滅ぼしてしまえといった過激な考えをもっていたり、あるいはそれも仕方のないことだと思っておられる方や国があるのではないかとおもいます。
冷戦期、社会主義国キューバの指導者フィデル・カストロさんの暗殺命令が何度か下されましたがすべて失敗しました。
金親子もそうだとしたらギネスを塗り替えてしまうかもしれませんね。
フィデルさんの評価は分かれるところですが、命を狙われていることを知りながらも民衆の前に立ち生きぬいてきたその知力と胆力に度肝を抜かれることにかわりはないのではないでしょうか。