あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

戦争か平和


平和争奪戦

人生論

人生論

  • 作者: トルストイ,原卓也
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1975
 

 

平和選び

 「戦争と平和。あなたはどちらを望みますか?」

と問われたら、この質問に懐疑的、つまりドッキリかひねった問題だと思っているひとでもなければみなさん「平和」と答えるでしょう。

 だれもが平和を望んでいるのにいつも決まって戦争が選択されてしまいます。

 

「平和か?それとも…平和か?」…それは平和か?

 「戦争か平和か」の問いは「平和か、それとも後の平和か」という問いの等位であり、前者の「平和」と後者の「平和」はその状況・局面・過程の異なる「平和」なのではないかとおもいます。

 前者の「平和」はその場しのぎの劇薬で、効果の先取りならぬ効能の先取りで、はじめ効きは抜群。うまくいけばそのまま好転。でもほとんどの場合は元通りかより悪くなります。後に遺恨を残しても、いまはとにかく先送り!と決めてかかる契約や条約なんかがこれにあたるでしょう。

 後者の「平和」はどうせ抑圧されるのなら、いま立ち上がり勝利を掴み平和を手にするのだ~っ!という一か八かのお手上げギャンブル開戦なんかがこれにあたるでしょう。

 

 結局「平和か?それとも後の平和か?」という問いは「戦争か?それとも後の戦争か?」という問いの前衛で、結果いつも「戦争か平和か」の問いは「戦争か戦争か」の実質1択になっています。

 

 選択肢をなくしてしまっているのは人類自身ですが、その小間使いの道具とされているのが財・お金ではないかとおもいます。

 

 戦争は人の欲と欲との衝突。

 財と財との衝突。

 勝敗は運や機知によることもありますが、勝る方が対価として所有し、劣る方は清算されるのが世の習い。

 

国の戦争は不経済

 戦争は深刻な不況打開策として効果があるのかないのか?これについては両論ございますが、気をつけなければならないのはその主語ではないかとおもいます。

 

 効果がないと答える方が主語においているのは「国(家)」や「人民」だと思います。

 戦争は国同士の争いですから当然と言えば当然ですが、戦争は敗戦国もさることながら、よほどの大差で打ちのめさない限り戦勝国にも痛手を負わせます。

 

 化学兵器や核兵器、ゲリラ戦や諜報活動など、相手が小国でも容易ではありません。戦後恐慌もあります。開戦に至らずとも緊張状態にあれば国防費がかさむでしょう。

 ですから国が主語である場合、戦争は不経済だと思われます。

戦争の経済学

戦争の経済学

  • 作者: ポール・ポースト,山形浩生
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2007/10/30
  • 購入: 21人 クリック: 300回
 

 

 しかしそれでも戦争が起きているということは国ではないどこかは潤っているのではないでしょうか?

 

戦争が経済的になる受益者

 効果があると答える方が主語においているのは「軍需産業」や「金融界を支配している組織」なんかだと思います。

 戦争となれば当然のことながら兵器をはじめとした物資の需要が高まり、破壊されては買い、版図拡張と破壊で需要やフローをあげ、窮地に追い込まれるほどに高額商品が大量に売れます。

 兵站補給のために多額のお金が行き交います。

 

 戦勝国に貸し付けていればよいですが敗戦国に貸し付けていたのであれば最悪国家消滅で回収できなくなるリスクがあります。

 しかし金融企業が対立していたり利益が主たる目的であるのならリスクはあるでしょうが、そうではなかったとしたら?

 

内部留保獲得戦か目的曲流隠秘作か?

 たとえば金融界全体を支配する組織があったとしたら、金融企業の対立は内部分裂にすぎず、内部抗争でさえ意図されたものであるとしたら、戦勝国の増資と敗戦国の減資の相殺でプラスにならないでしょうか?ギャンブルは胴元が必ず儲かる仕組みですしね。

 

 いやいややはりマイナスになるでしょう…としても、目的が利益ではなく人の支配だったとしたら?

 使い切れないほどの大金持ち、そもそもお金自体を生み出せる人がさらなるお金を求めるでしょうか?(だとしたらなんのために?)

 生がいっそう生を意志しないように、処分するのにも困るぐらい有り余ってしかたがないお金をさらに求めるでしょうか?よりいっそうの自由、もっと自分の思い通りとなる環境を求めはしないでしょうか?(だいぶ陰謀論・都市伝説めいてしまいましたが)

 

第二の価格革命。価格支配。

 モノの値段は希少性や需給量、効用などの要因によって決まります。

 価格は変動しますが値札が付けられています。

 今や権利にまで値札が付けられています。

 

 これほどまでに多くのものに値札がつけられて商品化され、たいていのものが購入しうるものになっていると、想像を絶するほどの大金持ち、全世界のお金を操るひとがいたとして、このひとは地球をほぼ丸ごと買えてしまえるわけです。

 人は商品にはなりませんので人を買うことはできませんが、地球丸ごと買われてしまうと足の踏み場がなくなって生きてはいけません。

 

 なので生きようとおもうのなら従うしかなくなってしまいます。

 このような状況でもそのひとが労働を強要しているわけではないので強制労働とは言えず、奴隷使役と言えなくなってしまいます。

 生きるためには仕方がないのではたらくしかありません。

 

善悪漉し器

 景気が低迷しているときに起こされる戦争は失業者や世に絶望して自死した自殺者数を戦死者数へと転嫁し、失業者や総人口の絶対数を削減しつつ戦時協力体制下で生産力を上げ、国土を戦火の下におくことで土地の所有者と建造物とを更地にして接収し、戦後に再構築(手直しより1から新たに組み立てた方が効率のよいシステムを効率よくコストを抑えて構築できますから)。

 

 政界や財界に影響力のあるひとやその子息は国外待避やら療養を口実に兵役を免れ生き残り、漉されて後に残るのは悪徳ばかり。

 こうして支配構造はその純度を高めてコンセンサスを得るのではなく、コンセンサスをおさえていくのではないでしょうか。

光あるうち光の中を歩め

光あるうち光の中を歩め

  • 作者: トルストイ,原久一郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/05
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地獄への道は善意で舗装されている