パソコン買うならここをみましょう!
スマートフォンの普及にインタフェースの革新でキーボードやマウスなどのデバイスは様変わりしてパソコン(Personal Computerではなくてデスクトップパソコンやノートパソコンのこと)もそのうち姿を消していくことでしょう。
そんな潮流の中、パソコンについての言及はいささか時代錯誤な感は否めませんが、パソコンを買うときにどこをみてなにを参考にすればいいのか知り合いに聞いたところ、ハードウェアについてわかりやすいレクチャーを受けましたので、自分用の、またはもしわたしに説明してと頼まれたときのための備忘録として紹介させていただきます。
ただしゴードン・ムーアさんやレイ・カーツワイルさんや未来学者の方々の著書にもありますように、またそれ以上に実感されていることとは思いますが、技術の進歩は日進月歩どころか秒進分歩とも形容されるほどはやいもので、現在そのままでは適用できないような古い情報があるかもしれませんことをご了承ください。
CPU(Central Processing Unit)(シーピーユー):中央処理装置
人間の脳にあたります。
2009年2月現在、一般では1GHz(ギガヘルツ)程度で平均的な中・高校生並かな。
なので3Dゲームなどの見るからに「すごい」感じがする使い方や、一度に大量の仕事をさせない限りは問題がなく、そのような使い方をしなければちょっと古いパソコンと新しいパソコンの違いはほとんどありません。
よくあるたとえ話に、どんなに性能のいい車でも一般道路では並の車とたいしてかわらず、高速道路やオフロードにおいてその違いを感じられるといったものがあります。
Memory(メモリ):内部記憶装置
机などの作業をするための空間。(一般的には人間の短期記憶にたとえられます)
パソコンにおいてメモリは机のようなものです。
パソコンはこの机の上で作業をするため、机の上が埋め尽くされると机の上のものを隅っこに寄せたり棚に移動したりします。
作業スペースがなくなると作業が出来なくなり、それでも机の上を整理しないままに作業を続けようとするとあまりに忙しすぎて頭が混乱しパニックを起こしたり、作業を放棄して止まったりすることがあります。
Hard Disc(ハードディスク):外部記憶装置
資料をしまっておく棚のようなもの。(一般的には人間の長期記憶にたとえられます)
パソコン買うならこの数字に注目!
パソコンを買うときに気にするのはおもに上にあげた3つ。
CPUとメモリとハードディスク。
店頭ではパソコンの価格が書いてあるところに必ずといっていいほどこれらの性能を表す数字も書いてあります。
ハードディスクの容量はあまり気にしない
ハードディスクは後からUSBなどでつなげて増やす“外付け”という方法もあるので、あまりに小さすぎない限りは特に気にすることはありません。
小さすぎるというのはだいたい10GB前後のこと。これ以下だと新たにソフトをインストールしたり、画像データなどをあまり保存できなくなってしまいます。
今なら標準で100GB以上だけどね。
なので実質、注目する数字はCPUとメモリの2つ。
Bという単位について
BというのはByte(バイト)という単位で、記憶容量はこの単位で表します。
1GB=1,000MB=1,000,000KB=1,000,000,000Bです。
Bの前についてるGやMはそれぞれGiga(ギガ、10億倍)、Mega(メガ、100万倍)という単位です。
イメージがわきづらいと思うので身近なものでちょっとだけ具体的な例を挙げると…
- 今のデジカメなら2GBで写真が600枚前後撮れます。
- 音楽データはMP3形式なら1曲がだいたい5MB~15MB前後だから、あいだとって1曲あたり10MBだとすると、2GB(=2,000MB)では200曲程度の曲が保存できます。
- CDが一枚あたりおよそ700MB、DVDが1枚あたりおよそ4GBだから、CD5、6枚分でDVD1枚分の容量です。
メモリにもB。速さはHz。
Bはメモリ容量でも使われる単位です。
最近のパソコンではメモリ256MBが最低ラインで、もしWindows Vistaを使うのであれば最低1GB以上でなければなりません。
おそらく最近のパソコンのメモリ容量の標準は2GBか4GBで、いいやつで8GBぐらいかな。
パソコンの頭の回転の速さ、つまりパソコンのデータの処理・作業速度の目安になる単位は(クロック)周波数のHz。
CPUは最近(2015年)のパソコンでは2GHz以上が主流かな。
CPUもメモリも大きいほど「いいパソコン」ということでもない。
CPUもメモリもでかければでかいほどいいとは一概には言えません。
なぜならものすごく頭のいいやつに単純な作業しかさせなかったり、ただただでかい作業スペースがあっても使わなければ無駄でしかないのですから。
2015年現在CPUの種類にデュアル(dual)やクアッド(quad)といって、脳2人分、4人分といったものが普及しています。
こちらも頭数が多いほどいいとは一概には言えません。
一人でできる作業を2人や4人でやろうとしても、てもてもちぶたさの者がでてしまいます。そればかりかひとが増えればそれだけ熱気・熱量があがってしまいます。パソコンもひと同様、頭数が増えれば電力を食い熱をもちやすくなります。熱が出れば体調を崩してしまうところもおなじです。
大量のデータを処理したり分担作業をした方がよさそうなときには頭数は威力を発揮しますが、個人で使用する分にはそうそうそんな機会には遭遇しません。
普通の使い方をする文には熱問題もそうそう深刻化するものではりませんから、デュアルでもクアッドでも、またそれ以外でもあまり気にするところではないでしょう。
店員の下心ある質問ではありませんよ。
パソコンを買いに行って店員さんに「どのパソコンがいいのか?」「ええパソコンはどれか?」「どれがええのんか?」聞くと、決まって「パソコンを何にお使いになりますか?」と聞き返されるのはこのためです。
「おまえにはこの程度のパソコンで十分だっ!」というバカにするような底意はなく、「パソコンの使用目的にあったCPUやメモリの性能というものがありますから、無駄にでかくて高いものより安くてデザインのいいものにしませんか?」という提案です。
店員さんからすればパソコンの使用目的に関係なく、無駄にでかくて高いものを買ってもらった方が在庫が減って倉庫の空きが増えて儲けることが出来るのですから、むしろなにも聞かずに値段の高いものを勧めてくる店員さんにご注意ください。
ノートパソコンにするのなら、バッテリー駆動時間も確認しておきましょう。
ノートパソコンを買う場合にはバッテリーがどのくらいもつのかも気にしてください。
今は3時間以上もてば一般的かとおもいます。
気持ちに余裕があれば無線LANは内蔵されているかなども考慮するといいかと思います。
気持ちに余裕がなければ後で”外付け”でどうにでもなりますし、最近では無線LANが標準で内蔵されていないノートパソコンを探す方が難しいので、あまり気になさらなくともよいでしょう。
見るからに古い中古のノートパソコンをお買い求めになるときは一応みておいてもいいかもしれません。
結局…見た目で気に入ったものでいいでしょう。
なんだかんだいって最近のパソコンは普通(文章を書いて印刷したりインターネットをしたりDVDを見たり)に使うぶんにはたいして性能差を感じませんから、最終的には色や形、デザインなどで決めてしまえばいいかと思います。
それでは不安だという方のために一応3つの目安をあげておきます。
- CPUは2GHz以上
- メモリは4GB以上
- バッテリーは3時間以上(ノートパソコンの場合)
パソコンの調子がわるくなったら
パソコンの調子が悪くなる原因にはいろいろありますが、だいたいの人がウイルス感染をまずは疑います。パソコンも(コンピュータ)ウイルスに感染することがあります。
ウイルスが原因でなかった場合、次に考えるのは作業スペースの大きさ、つまりメモリの大きさについて考えます。
作業スペースはある程度広げることが出来ます。
作業スペースを広げることをメモリ(の)増設と言います。
その次に考えられるのはソフトウェアの問題。
つまり机の上の資料・設計図に誤りがある場合です。
資料というとたいしたことがなさそうに聞こえますが、資料を基に作業をするので意外と深刻。たとえるなら建築基準を満たしてない設計図を基に家を建てるようなもので、できあがった建物はいつ倒壊してもおかしくないといったような感じ。
また相性という問題もあって、これは似たところがある設計図がいくつかあったり、1つの土地に対して設計図が複数用意されているようなときに起こる問題です。
特にセキュリティソフト(アンチウイルスソフト、ウイルス対策ソフト、単にウイルスソフトとも言う)をいくつか同時に使っていたりインストールしているとよくおきます。
これを(ソフトが)競合していると言います。
さらに言えばセキュリティソフトが1種類しか入っていなくても不具合が起こることがあり、これらの問題を総じて“相性が悪い”などと言うことがあります。
HDはこわれやすい。
相性についてはセキュリティソフトだけでなくもっと物理的で機械的な場合もあります。
特にパソコンを組み立てる場合に問題になることなのですが、たとえるなら椅子や机の高さや形が身体にあっていなくて作業どころではないといったような状態です。
ウイルスやメモリ、相性の問題でもないとすると、いよいよ疑わしいのは機械自体の問題です。
なかでもハードディスク(HD)が一番壊れやすく、続いてCPUといった感じかな。
ハードディスクの場合はrpm(Revolution/Rotation Per Minute(アールピーエム):1分あたりの回転数)、CPUの場合はHz(周波数のことで1秒あたりに出来る計算量)という単位でその性能を表します。
7,200rpmは1分間に7,200回転して、1.3GHzは1秒間に1,300,000,000回の計算をするという意味です。
想像以上にせわしなく動いているので、それだけ壊れやすいと言えます。
ただし文明の発達とはすごいもんで、普通はそう簡単に壊れるものではなく、問題なく10年20年はたらいてくれることもざらにあります。
「普通は」とただし書きしたのは、買った当初から不具合・故障していることもある「普通」ではないくらいそこそこあることではあるからです。
ハード面の故障は致命的
ハードはハードでも機械自体(ハード(ウェア))が壊れた場合がやっかいで、パーツ交換にしても修理にしてもお金が少なからずかかるので、不具合の原因がハードにあったとしてもできるだけ疑いたくないところです。
メモリやハードディスクなどの故障であれば取り替えればいいだけなので、身近なそこそこ機械につよい人にまずは修理を頼んでみましょう。
お店に修理依頼をするとそうとうふっかけられますし、それほどひどい故障であるのなら買い換えた方がお得だと思います。
Operating System(オペレーティングシステム):OS(オーエス)
安価に長く使いたいというのであればデスクトップパソコンでOSをLinuxにされるとよいかとおもいます。
パソコンの価格と長期利用を左右するものにはいくつかありますが、意外にもOSはそこそこのウエイトを占めます。
OSはOperating Systemの略で、これも人間でいうところの脳のようなものです。
CPUも脳ですが、CPUは物理的な脳組織で、OSは思考や概念や言語のようなものとでもいいましょうか、そういった物理的でない脳の機能です。
OSの下にはBIOSというものがあり、OSの上でいろいろなソフトウェアが動いています。
無理矢理たとえるならBIOSが小脳でOSが中脳、ソフトウェアが大脳といったところでしょうか。
一度は耳にされたことがあるのではないかとおもいますが、現在広く普及しているOSはWindowsやMacintosh(Mac)です。
OSが異なれば動かせるソフトウェアも異なります。
マックを使うのはクリエイターに多く、一般的にはWindowsを使っているひとが多いです。
どちらのOSも有料で、サポート期間というものがあり、この期間を過ぎると安全にパソコンを使えなくなるおそれがあります。
OSは半製品のようなもので、不具合が後から後からみつかって修正しながら使っていくものなのですが、「サポート期間が過ぎると修正点の発見も改善もしませんよー」というもので、「購入後1年は故障しても修理保証しますよー」というものとは別ものです。
ちょっとたいへんかもしれませんがオススメのOS
そこで慣れるまではちょっとだけたいへんですがお勧めしたいのがLinux(リナックス)です。
こちらもOSですが、こちらは無料です。
WindowsやMacとは異なりますので使えるソフトウェアも異なりますが、同じような機能をもったソフトがあり、それも無料で揃います。
Linuxにはいろいろな種類というかディストリビューションといわれるものがあるのですが、なかにはWindowsやMacと見た目や使い勝手が似ているものがあります。
Linuxにもサポート期間がありますが、こちらは無料で更新できます。
要はLinuxであればOSやソフトウェアなどパソコンの内側のことがほとんどタダだということです。
そればかりではなく、先ほどCPUは2GHz以上、メモリは4GB以上を推奨しましたが、LinuxであればCPUは1GHz以上、メモリは2GB以上でも役目をはたしてくれますので、ちょっと古いパソコンや古くなってしまったパソコンも使うことができるので、安価で長期間利用できるのです。
何年後になるかはわかりませんが、いつかOSはLinuxやそれに準ずるような無料のものとなるのではないかとおもいます。(おもってはいるのですがなかなかそうならないのですけれども…)
こう聞くと「じゃあLinux!」とおもわれるかもしれませんが、ちょっとだけたいへんなところがいくつかあります。
- 最初に自分あるいは誰かにLinuxをインストールしてもらわなければならないこと。
- 文章を書いたりインターネットをしたりといった普通の使い方をしていればそうそうないことですが、今のところ、ほんの少しだけプログラムを打たなければならないようなときがこないとは言い切れないこと。
- やや更新に失敗しやすかったりするところなどです。
お近くにそこそこパソコンに詳しい方がいれば(そこそこで十分ですよ)どうとでもなります。
余裕があればLinuxも視野に入れていただけるとよろしいかとおもいます。
買ってすぐに動かしたい。あるいはめんどうだということであればOSはWindowsでよろしいかとおもいますので、こちらの項目は無視してください。
最後に
つらつら書き連ねて困惑させてしまったかもしれませんが、直感でお気に召したものを買われるとよいかとおもいます。それでは。