ひといき。
息もつかせぬ
フーッフーッフーッフーッ。
猫舌というわけではないようですが、習慣から不必要なほど息を吹きかけて熱い麺類をススル父。
ひとしきり吹き冷ましていよいよ食べる段になると一旦トンットンッと麺をスープにつけてハッハッハフッとこれまた不必要なほど熱がって食べます。
じゃあ最後につけなきゃいいでしょ。
それにそんなにフーフーしなくても冷ましたいなら麺をあげておけばいいじゃない?
ほらーっ口に含んでるあいだに次の分をあげておきなってぇ。
フーッフーッフーッフーットンットンッズッズーーッハッハッハフッ…、グフッ。
たいていむせる。
ビックスケール反面教師
体重が大台100kg前後。
ひとつひとつの音がまぁデカイ。
とにかくなにをするにも大きな物音をたてずにおけない性分で、歩き方も床板を踏み砕かんばかりの勢いでドッドッドッドッ。
築何十年もたっていてお家がだいぶ老朽化していたこともありますが、実際にところどころ砕かれた場所がありました。
この光景を多少の嫌悪感をもって目にしていた家族の者は、あるときからすすって食べるという習慣を捨てました。
味一息
お茶やワインやコーヒーなど、ズッと勢いよくすするカッピングといわれるテイスティング方法がありますが、これは口の中で霧状にすることで、とくに鼻から抜ける香味や香りの変化を感じやすくする方法だそうです。
調べてみますとコーヒーのカッピングについてのPageはすぐにみつかるのですが、お茶やワインのテイスティング方法はなかなかみつからない不思議。
Specialty Coffee Association of America | Coffee Taster's Flavor Wheel
そば、うどん、ラーメンと、日本人は麺類をすすって食べてきました。
すすって食べるとより香りを楽しむことができておいしいのだということを経験的に知っていたのでしょうねぇ。
父は香りを楽しめていたかな?
息もつまるほど苦しい
父の姿と重なるからというわけではないと思うのですが、胸を締め付けられるような思いがして目を向けられない日常の風景があります。
それは恰幅のよい中年男性が一人飲食店で食事している姿。
味に親しみ食事を楽しんでいるのかもしれませんし、このあとどこかに遊びに行くのかもしれませんが、勝手に疲れて寂しい孤独な男の物語が動いて苦しくなってしまうのです。
この傾向はサスペンスが動き出す母譲りなところなのかなぁとおもいます。
街を行けばそこかしこで見られるこの日常はわたしには…つらい。
なのでお腹の出た中年男性の方はどうか一人で食事せず、誰かともなっていただけると助かります。
すくなくともわたしは救われます。
ただしだからといってわたしはお腹のでた中年男性に惹かれるというわけではありません。基本的には好みません。
というのも、これまで出会ってきたそのような体型をもつ方々がもれなく「人に厳しく自分に甘い長いものに巻かれて虎の威を借る」ような方々だったから。
それならなぜわたしは一人食事を彼らの姿に耐えられないのでしょう?