絵が描く音楽
音楽オンチのわたしでも絵が見えた曲があります。
それは「展覧会の絵」……ではなくて(展覧会場と絵に近づいていく情景は見えるんですが、肝心の絵を見ることができないんです…)、『シャイン』や『のだめ』、フィギュアスケートなどで使われたラフマニノフさんのピアノ協奏曲第2番。
今では耳慣れたひともおおいことでしょう。
わたしにはこの曲を聞くと浮かびあがる情景があります…
ビジョン
シュヴァルツヴァルト(黒い森)のような森。
一日が終わり帰途につくミネルヴァのフクロウ。
夜明け近くの朝霧と相まって雲のように白んだ森の中を馬に乗って疾駆する男が一人。
人馬の呼吸はちょうど噛み合わず、後ろを振り返る余裕もない。
共に外套をはためかせて肩で息をしている。
なにから逃げているのか本人にもわからないが、それが迫り来る絶望であることは間違いない。
執拗に追いかけてくる仄暗い闇。
悲壮感とは対照的な朝露に濡れた鮮やかな緑と朝霧で煙る白の世界。
木々の合間に見え隠れするひとつの塊…
証言?
この曲の主題は「逃避」だとおもいました。
2番のことか3番のことか記憶があいまいですが、ラフマニノフさんも「逃げている」イメージだと言ってました。
どこを・だれが・どうやって・なんで…などについてはわたしの想像でラフマニノフさんはなにも語ってないですよ。
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