ただのコミックバンドかとおもたらちがたよ。
音楽CDを借りにいったらキャンペーン中で、10枚で1,000円だっていうものだから、無理にでも10枚は借りてやろうと、ぐるぐる、ぐ~るぐる店内を見回し探し回ったのですが、あと1枚がみつからない。
なんでもいいのだけれど、ほんとになんでもいいわけではない。
そんな相反する感情。
そんなおり、邦楽のある方角の、ある棚のあるところで右に折れ、棚の一番上をみやると、表紙をこちらに向けたレコメンドCDの1つに力強い筆文字で「レキシ」…と。
(後でわかったことですが、これは「レキシ」ではなくレキシ(池田貴史)5枚目のCD「Vキシ」でした。)
レキシのレシピ
無駄に高い音楽性。
不必要に優れた歌唱力。
この曲や歌にこの(歌)詞はもったいない。不釣り合いだ。
…となりそうなところですがさにあらず。
詩だけを見ればコミカル。
曲だけを聴けばメロディアス。
2つが合わさってCool。
2つのマーブルMarvelous。
コミカル+メロディアス=レキシ≒ダサカッコいいね!
シリアスな場面で口ずさめば超ダサく。
詩の意味を深く考えず聴けば超カッコいい。
それはまるで外国の方が自らの肌に刻む漢字タトゥーのよう。そんな音楽性。
フザけたような詩にこれほど力を注ぎこんで、真剣にまじめにふざけて惜しみなく丁寧に作りこみ、執拗にクオリティを高めるこの変質・変態ぶり。
真顔で情感豊かに歌うほどにおかしみは増し、レキシの声を真顔で聞いている、レキシの歌をいきって口ずさんでいる己の姿を客観的に思い浮かべるとき、これほどマヌケな姿があるでしょうか。
曲から作るのか詩から作るのか、はたまた同時進行で作っていくのか、その作詞・作曲手法はわかりませんが、ある意味既存のものの組み合わせで新しいものを創出・創作する。これはまさにイノベーション!これぞ"正しい"イノベーションの形…だとおもう。
こんなレキシの高い音楽性の風にあてられて、翌日、5枚目以前の1~4のCDを仮初し借り占めようと、ふたたびTSUTAYAへGO!
1枚目の「レキシ」はレンタル中で借りられなかたぁ~から2~4を借りて帰りました。
以下に2~5枚目のCDに収められているいくつかの楽曲についておもったことをそこはかとなく書きつくります。
つれづれなるままに
『ドゥ・ザ・キャッスル feat. 北のパイセン問屋』の「あの日の月が見ていたよ」や『アケチノキモチ feat. 阿部SORRY 大臣ちゃん』の「あぁ時は今 逢いにゆくよ だけどあなたまだ夢の中」「悲しみさえ置いて行けるなら」なんてどこかで聞いたような"感動"(を催させることを)狙ったかのようなセリフ。
これらのセリフをおかしな歌詞に入れ込むことで、このフレーズを陳腐化させようと企てているのではないか?これまでのシリアスぶってスカしてヒットした楽曲たちに「なにかっこつけてんだ?」と揶揄しているかのよう。
レキシの詩の特徴は、読み込むと他の読み方、コメディの裏でまじめなラブソングを歌っているようにも読み取れなくもないことはないわなところ。
変な詩なのにトータルでかっこよくなっているからすごいホームラン!
レキシで歴史は学べないけれど、これまでとは違った音楽の楽しさを知ることができる。なんかそんな風に感じました。
ちなみに、音楽で歴史を学ぼうとおもうのなら(特に人名)、『戦国鍋TV ミュージック・トゥナイト なんとなく歴史が学べるCD』の方がグルーブ感はレキシには劣るけれどやや役には立つかなぁ~とおもう。
ただレンタルされてなかったけどね。
SHIKIBUのいい「し」
わたしは「し」(というか「シッ」)の音があまりすきではありません。
ですが…なにこれっ!
『SHIKIBU feat. 阿波の踊り子』の「しきしきぶんぶん しきぶんぶ~ん むらさ~き~」の「し」といい、この直前の「乱れそめにし」の「し」といい、いい「し」だわ。
「しきしきぶんぶん しきぶんぶ~ん」なんて何度か聞いていると、あれっ?これってほんとうは「Shake It!Shake It!Boom!Boom!Shake It!Boom!Boooom!」って言っているんじゃあないのかと、海外版タモリ倶楽部「空耳アワー」状態になることがあります。
(タモリ倶楽部のメインパートは「空耳アワーだ!」という人が意外?にも多いのですが、わたしは空耳アワーあまり好きではなく、普段はスキップ(録画して2倍速で見るから)してしまって、空耳アワーを見るときといえばアワードのときぐらいなんですけれどね)
『SHIKIBU』には他にもいい「し」があって、それは「乱れそめにし」の「し」。
これもうほぼ「スィ」。
「し」については『きらきら武士 feat. Deyonnά』の「あなたは武士 きらきら武士」の「武士」や『武士ワンダーランド feat. カブキちゃん』の「武士ワンダーランド」の「武士」も「ぶ~スィ」。
しかも「あなたが好き 無視? 武士」の「武士」の「し」は「スィ」なのに「無視」の「し」は「スィ」ではないという芸の細かさ!
どうもレキシは「し」を言い遊ぶことがおおいらしい。
そしてそれがよスィ!
ついでにいうと『アケチノキモチ』の「アケチノ ホントノ キモチヲ」の「ヲ」はもうほぼ「フォー」。
そしてこれもまたよフィ!
おしりかじりおかしかりけり
『寺子屋FUNK feat. シャカッチ』のさいごの「まなべ まなべ まなべ こどもたち」は「まなべ まなべ まなこどもたち」だし、『salt & stone』のさいごの「寝ても覚めても内蔵助 大石内蔵助 hey!」は「大石内蔵へ~い!」といった感じで言葉尻食ってかかるというのもすきみたいねかっこいいね。
にしても「まなべ まなべ まなべ」の滑舌イイ~ねっ!
にしても「寝ても覚めても平八郎・内蔵助」て…そらそうでしょーよ。それとも「寝ても覚めても自分が自分であるとなぜわかるの?」といった哲学的問いを含んだもなわけないですよね~い!
たぶんあれきっとそう…
『旧石器ベイベ feat. 足軽先生』の「たぶん あれ 俺の たぶん あれ きっとそう」のあたりの特に「そう」というか「そーぉお」のところ、たぶんあれきっとそーおぉ玉置浩二ちょっと意識しているんじゃあな~いの?そんな予感が、そんな『恋の予感』がするの。
70'sブラック
『君がいない幕府 feat. お台所さま』のブラックミュージック感。
『大奥~ラビリンス~ feat. シャカッチ』や『武士ワンダーランド feat. カブキちゃん』はアース(Earth,Wind & Fire)かBee Geesか感が漂っているよね。
これらの楽曲だけでなく70's感の強いもの多いよね。
そもそもアフロだからそうか。
心にうつりゆくよしなしごと
はじめ『キャッチミー岡っ引きさん feat. もち政宗』原坊(原由子)かとおもた。
にしても「今度こそ私を離さないでね」て、一回逃げられてんじゃんだめじゃんおもしろいじゃん。
『かくれキリシタンゴ ~Believe~ feat. MC母上』のさまざまな「oh, yes」の言い方の小憎ったらしさといったらないよね~不謹慎にもかっこいいよねー。
わたしには「一休さん」はレキシの方が水曜日のカンパネラより一級さん。
エピソード0
レキシのファーストアルバム借りてきました。セカンドシングルの『KATOKU』もね。
5枚借りれば1,000円だというのに「そんなこと知ったこっちゃない」とこの2枚だけ割高で借りてきましたよ。えぇ。
もしファーストアルバムをその他のアルバムと出会う前に聴いていたら…。
これはあまりすきじゃない。
というか歴史的な出来事を"ちゃんと"盛り込もうとしすぎてる感がまだあって、なおかつ音の厚みがセカンドアルバム以降と比べると薄い。
ファーストアルバムとセカンドアルバムとの間になにがあったのだろう?とおもうほどのこの振り切り感はどこからきたのでしょう?この史実を追うより(悪)ノリにのった音作りは。
歌詞を見たくなるから借りるより買った方がいいかもしれない。
あるいはこちらのサイトを参照するといいよ。
はじめに聴いたときは『SHIKIBU』が一番印象に残って一番すきだったのだけれど、なんども聴いているとどれもよくなってきて(※ファーストアルバム除く)、今では一番決められないぐらいどれもすき。このアルバムはごきげんなダンスチューンだぜぃ。
アフロのファンキーボーイサイコ(ー)!