あめみか

「雨はいつもわたしのみかた。」 … 思想・哲学・世迷言からイラストまで、多岐にわたってたいへんくつに綴っています。

レキシのレキピ ~夏の終わりに歴史の声を聴く~

ただのコミックバンドかとおもたらちがたよ。

 

 音楽CDを借りにいったらキャンペーン中で、10枚で1,000円だっていうものだから、無理にでも10枚は借りてやろうと、ぐるぐる、ぐ~るぐる店内を見回し探し回ったのですが、あと1枚がみつからない。

 なんでもいいのだけれど、ほんとになんでもいいわけではない。

 そんな相反する感情。

 

 そんなおり、邦楽のある方角の、ある棚のあるところで右に折れ、棚の一番上をみやると、表紙をこちらに向けたレコメンドCDの1つに力強い筆文字で「レキシ」…と。

(後でわかったことですが、これは「キシ」ではなくレキシ(池田貴史)5枚目のCD「Vキシ」でした。)

Vキシ

Vキシ

  • アーティスト: レキシ
  • 出版社/メーカー: Colourful Records
  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

レキシのレシピ

 無駄に高い音楽性。

 不必要に優れた歌唱力。

 この曲や歌にこの(歌)詞はもったいない。不釣り合いだ。

…となりそうなところですがさにあらず。

 

 詩だけを見ればコミカル。

 曲だけを聴けばメロディアス。

 2つが合わさってCool。

 2つのマーブルMarvelous。

 

 コミカル+メロディアス=レキシ≒ダサカッコいいね!

 

 シリアスな場面で口ずさめば超ダサく。

 詩の意味を深く考えず聴けば超カッコいい。

 それはまるで外国の方が自らの肌に刻む漢字タトゥーのよう。そんな音楽性。

 

 フザけたような詩にこれほど力を注ぎこんで、真剣にまじめにふざけて惜しみなく丁寧に作りこみ、執拗にクオリティを高めるこの変質・変態ぶり。

 真顔で情感豊かに歌うほどにおかしみは増し、レキシの声を真顔で聞いている、レキシの歌をいきって口ずさんでいる己の姿を客観的に思い浮かべるとき、これほどマヌケな姿があるでしょうか。

 

 曲から作るのか詩から作るのか、はたまた同時進行で作っていくのか、その作詞・作曲手法はわかりませんが、ある意味既存のものの組み合わせで新しいものを創出・創作する。これはまさにイノベーション!これぞ"正しい"イノベーションの形…だとおもう。

潜在的に「既存」?なデジタル著作物 - あめみか

ヨーゼフ・シュンペーター - Wikipedia

 

 こんなレキシの高い音楽性の風にあてられて、翌日、5枚目以前の1~4のCDを仮初し借り占めようと、ふたたびTSUTAYAへGO!

 1枚目の「レキシ」はレンタル中で借りられなかたぁ~から2~4を借りて帰りました。

 

 以下に2~5枚目のCDに収められているいくつかの楽曲についておもったことをそこはかとなく書きつくります。

 

つれづれなるままに

 『ドゥ・ザ・キャッスル feat. 北のパイセン問屋』の「あの日の月が見ていたよ」や『アケチノキモチ feat. 阿部SORRY 大臣ちゃん』の「あぁ時は今 逢いにゆくよ だけどあなたまだ夢の中」「悲しみさえ置いて行けるなら」なんてどこかで聞いたような"感動"(を催させることを)狙ったかのようなセリフ。

 これらのセリフをおかしな歌詞に入れ込むことで、このフレーズを陳腐化させようと企てているのではないか?これまでのシリアスぶってスカしてヒットした楽曲たちに「なにかっこつけてんだ?」と揶揄しているかのよう。

 

 レキシの詩の特徴は、読み込むと他の読み方、コメディの裏でまじめなラブソングを歌っているようにも読み取れなくもないことはないわなところ。

 変な詩なのにトータルでかっこよくなっているからすごいホームラン!

 

 レキシで歴史は学べないけれど、これまでとは違った音楽の楽しさを知ることができる。なんかそんな風に感じました。

 

 ちなみに、音楽で歴史を学ぼうとおもうのなら(特に人名)、『戦国鍋TV ミュージック・トゥナイト なんとなく歴史が学べるCD』の方がグルーブ感はレキシには劣るけれどやや役には立つかなぁ~とおもう。

 ただレンタルされてなかったけどね。

 

SHIKIBUのいい「し」 

 わたしは「し」(というか「シッ」)の音があまりすきではありません。

 ですが…なにこれっ!

 

 『SHIKIBU feat. 阿波の踊り子』の「しきしきぶんぶん しきぶんぶ~ん むらさ~き~」の「し」といい、この直前の「乱れそめにし」の「し」といい、いい「し」だわ。

 

 「しきしきぶんぶん しきぶんぶ~ん」なんて何度か聞いていると、あれっ?これってほんとうは「Shake It!Shake It!Boom!Boom!Shake It!Boom!Boooom!」って言っているんじゃあないのかと、海外版タモリ倶楽部「空耳アワー」状態になることがあります。

(タモリ倶楽部のメインパートは「空耳アワーだ!」という人が意外?にも多いのですが、わたしは空耳アワーあまり好きではなく、普段はスキップ(録画して2倍速で見るから)してしまって、空耳アワーを見るときといえばアワードのときぐらいなんですけれどね)

 

 『SHIKIBU』には他にもいい「し」があって、それは「乱れそめにし」の「し」。

 これもうほぼ「スィ」。

 

 「し」については『きらきら武士 feat. Deyonnά』の「あなたは武士 きらきら武士」の「武士」や『武士ワンダーランド feat. カブキちゃん』の「武士ワンダーランド」の「武士」も「ぶ~スィ」。

 しかも「あなたが好き 無視? 武士」の「武士」の「し」は「スィ」なのに「無視」の「し」は「スィ」ではないという芸の細かさ!

 

 どうもレキシは「し」を言い遊ぶことがおおいらしい。

 そしてそれがよスィ!

 

 ついでにいうと『アケチノキモチ』の「アケチノ ホントノ キモチヲ」の「ヲ」はもうほぼ「フォー」。

 そしてこれもまたよフィ!

 

おしりかじりおかしかりけり

 『寺子屋FUNK feat. シャカッチ』のさいごの「まなべ まなべ まなべ こどもたち」は「まなべ まなべ まなこどもたち」だし、『salt & stone』のさいごの「寝ても覚めても内蔵助 大石内蔵助 hey!」は「大石内蔵へ~い!」といった感じで言葉尻食ってかかるというのもすきみたいねかっこいいね。

 

 にしても「まなべ まなべ まなべ」の滑舌イイ~ねっ!

 にしても「寝ても覚めても平八郎・内蔵助」て…そらそうでしょーよ。それとも「寝ても覚めても自分が自分であるとなぜわかるの?」といった哲学的問いを含んだもなわけないですよね~い!

 

たぶんあれきっとそう…

 『旧石器ベイベ feat. 足軽先生』の「たぶん あれ 俺の たぶん あれ きっとそう」のあたりの特に「そう」というか「そーぉお」のところ、たぶんあれきっとそーおぉ玉置浩二ちょっと意識しているんじゃあな~いの?そんな予感が、そんな『恋の予感』がするの。

 

70'sブラック

 『君がいない幕府 feat. お台所さま』のブラックミュージック感。

 『大奥~ラビリンス~ feat. シャカッチ』や『武士ワンダーランド feat. カブキちゃん』はアース(Earth,Wind & Fire)かBee Geesか感が漂っているよね。

 これらの楽曲だけでなく70's感の強いもの多いよね。

 そもそもアフロだからそうか。

 

心にうつりゆくよしなしごと

 はじめ『キャッチミー岡っ引きさん feat. もち政宗』原坊(原由子)かとおもた。

 にしても「今度こそ私を離さないでね」て、一回逃げられてんじゃんだめじゃんおもしろいじゃん。

 

 『かくれキリシタンゴ ~Believe~ feat. MC母上』のさまざまな「oh, yes」の言い方の小憎ったらしさといったらないよね~不謹慎にもかっこいいよねー。

 

わたしには「一休さん」はレキシの方が水曜日のカンパネラより一級さん。

 

エピソード0

 レキシのファーストアルバム借りてきました。セカンドシングルの『KATOKU』もね。

KATOKU

KATOKU

  • アーティスト: レキシ
  • 出版社/メーカー: Colourful Records
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

 5枚借りれば1,000円だというのに「そんなこと知ったこっちゃない」とこの2枚だけ割高で借りてきましたよ。えぇ。

 

 もしファーストアルバムをその他のアルバムと出会う前に聴いていたら…。

 これはあまりすきじゃない。

 というか歴史的な出来事を"ちゃんと"盛り込もうとしすぎてる感がまだあって、なおかつ音の厚みがセカンドアルバム以降と比べると薄い。

 ファーストアルバムとセカンドアルバムとの間になにがあったのだろう?とおもうほどのこの振り切り感はどこからきたのでしょう?この史実を追うより(悪)ノリにのった音作りは。

 

 歌詞を見たくなるから借りるより買った方がいいかもしれない。

 あるいはこちらのサイトを参照するといいよ。

 

 はじめに聴いたときは『SHIKIBU』が一番印象に残って一番すきだったのだけれど、なんども聴いているとどれもよくなってきて(※ファーストアルバム除く)、今では一番決められないぐらいどれもすき。このアルバムはごきげんなダンスチューンだぜぃ。

 アフロのファンキーボーイサイコ(ー)!

議会制度は一院制がいいのか?二院制がいいのか?それとも…

 民主政治は衆愚政治となりやすく、独裁政治は恐怖政治となりやすい。

とはよく聞かれる意見でしょう。

 

 イメージとな異なり、民主政治は手放しで称揚されるほど優れた政体ではありません。為政者が有能で徳性を備えているのであれば判断・実行のはやい独裁政治は民主政治に勝ります。

 

 (疑似的なものはあるかもしれませんが、表立っては)これから日本が独裁政治へと移行するとは考えづらいものです。

 その日本でとられている議会制度は二院制。

 国民の声、少数派の意見を議会の俎上に載せ議論することは大切なことではありますが、衆議院の優越で結局は棄却されるだけでただの時間稼ぎか浪費にしかなっていないのではないかと思われる参議院の声や存在意義。

 

議会制度のパフォーマンス

 現代日本において参議院は必要であるだろうか?

 

 この問いに対して心情や感覚、感情、それこそイメージで答えては客観性を欠いた感情論にしかならないでしょう。

 

 というようなことをおもい、議会制度について考察されたものをちょっと探してみましたら『二院制度が民主主義の質と経済的パフォーマンスに与える効果に関する研究』(あるいはこの論説から『Adrian Vatter:Lijphart Expanded Three Dimensions of Democracy in Advanced OECD Countries.pdf』)というものにあいました。

 

 ここには

  • 1945年以降、OECD諸国中、二院制から一院制へと変更した国が5ヵ国あり、反対の一院制から二院制へと変更した国はないということ
  • 二院制か一院制か、大統領制か議院内閣制かなどの議会構造と、いわゆる民主主義の質、パフォーマンスとの間には有意な差がないこと
  • 一方で議会構造と経済的パフォーマンスとの間には有意な差がある可能性があるようだ(可能性の示唆に留めているのは仮説であり、経済的パフォーマンスは議会構造より政府と中央銀行との関係に依存するようだからです)
  • 議会構造と経済的パフォーマンスとの間の失業率のデータについては有意水準が低く帰無仮説は棄却(=対立仮設が採択)されますが、経済成長率やインフレ率は一院制の方が二院制よりも高いという有意な判断がされる(帰無仮説と有意水準

といった検証結果をあげた上で、「熟慮の第二院」「良識の府」という二院制構造に期待された効果を実証分析結果からは確認することができないばかりか、国家規模が大きい二院制ほど一人当たりGDP成長率が低いなど、むしろ経済的パフォーマンスに負の影響を与えている可能性が高いようだとの結論を示しています。

 

議場パフォーマー:GI‐I‐N

 この結論をうけて…

 形骸化した二院制では経済的パフォーマンスが悪いことは検証するまでもなく明らかなことで、そのような二院制は性能や能力という意味ではなく「わたしたちはちゃんと仕事をしていますよー」とアピールし耳目を集める演技という意味においての「パフォーマンスの府」と成り下がっているような第二院であるのなら、そんな第二院はなくともよい、いや、むしろない方がよい。

 現代日本の参議院がそうだとは言いませんが、そうではないとも言い切れない切なさよ…。

ということを改めて確認することができました。

 

的見解

 そんなとき、目にしたのが『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』

 

 番組タイトルに「AIに聞いてみた」とありますが、正確にはそれはAIではなく「ビッグデータ解析(による相関分析)に聞いてみた」というところなのでしょうけれど、それはそれとしてと…(なにしろゴロが悪いし長いからねぇ)

相関関係と因果関係 - Wikipedia

 

 それがAIであるにしろビッグデータ解析であるにしろ、いずれにしろ番組をみていて驚いたのは、多数の項目・データの(因果関係ではなく)相関関係が紐づけされてこうも目にも鮮やかに現在すでにもう表現できてしまうこと。

 相関関係ですからまったく関係なさそうな紐や単なる偶然による紐もあるのでしょうけれども、なんな風に視覚的に提示されてしまうと弱い根拠しかなくとも強い説得力をもって訴えかけてきます。

 

 俯瞰的で視覚的なこのデータ解析の結果をながめていますと、これまで気づけなかった関係や問題点、またその解決・解消策を考える契機となる一方で、その紐・関係に誤った意味づけをした上で、さらにそれを信じ込んでしまうこともあるのだろうなぁと、その有用さと危うさについておもうのでした。

 

人格不在のアイーン党

 現代のAIの日常生活への浸潤進捗具合や番組全体を通して見てみておもったのは、AI党の導入などから、AIのデータ解析やAIの"意見・判断"に(も)頼る議会制度が一般的、「ふつう」となる日もそう遠くはないでしょうということ。

 

 最終的にAIが主導するようになっているのかもしれませんが、その過渡期というのか、これからそのバリエーションとして第二院とAIによる議院(AI院←読むと「アイーン」になってシリアスさが損なわれてふざけているみたい…)とが入れ替えられた二院制、またはAI院を加えた三院制(はじめ参考程度に試験的にAIを政治に取り入れようと議院ではなく政党レベルで利用され、その後いよいよ有用であると明らかになっても「慎重な審議」などを強烈に主張して、その実、既得権を死守しようとの思惑から第二院存続路線から三院制となる国もでてくるかもね)なんてのも(ほんの一時)誕生するかもしれませんね。

 

何院制?

 参院選は必要か?

 最適な議会制度は?

 何院制がいいのか?

 

 結局のところ今はまだわかりませんが、思うに…

 文化・文明や技術の発達具合、または人口規模や経済規模といった規模によって最適な仕組みは異なるのではないかと思うのです。

 ただし、AI・機械技術が大いに進展した暁には、唯一それは発達や規模に左右されない最適解「である」のではなく「になる」のだとも思うところです。

(「である」と判断するところは人間の側にある恣意的なものですからね。)

 

 アナタはドのヨウにおモイマスカ?

Windowsの先進性(?)

 Windows(あるいはMicrosoft)が先進的であったことがあったでしょうか?

 あの機能はあれをパクっ…参考にしていてぇー、あの方式はあれをマネ…採用しているでしょう?

 

 …いやっ!

 あったわ!

 Windowsの先進的なと・こ・ろ。

 

 破廉恥にも他企業・他製品のいいとこどりしておいて泰然としていると・こ・ろ。

 

 …というのは冗談として、Windowsの先進的なところはぁ~……

 

 セキュリティホール・脆弱性の発見されるはやさ!

 

 バージョンアップやアップデート直後ばかりか、あまりにも先進的であるために勢い余って発売前から脆弱性が指摘されていることもあります。

 一歩どころか踏み出す前から欠陥があるなんて、まさにフライング脆弱性!

 

 Windows OSの開発にWindowsをつかっている開発者はいないでしょう。普段つかわないひとが作っているからつかえないのではないかと思うところがあります。

 

 Windowsは普及して人間社会に貢献してきました。しかしそれと同時に、あるいはそれ以上に不具合につぐ不具合により数限りない多くの人々の貴重な時間を奪い、抑えきれないイライラ感を催させて精神衛生を大きく乱し、市場を独占して無償OSのLinuxの普及を阻み…と、あの手この手で人類に損害を与え、災害をもたらしました。プラマイ、マイナスです。私的には。

 

 

 以上、朝からWindowsにイライラさせられたので悪口を吐き出して多少なりともストレスが解消されるようつとめました。